1998 Fiscal Year Annual Research Report
音速濃度分析法によるフロン混合系の気液平衡に関する研究
Project/Area Number |
09555230
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
高木 利治 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (20027816)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 正人 旭硝子(株)化学品事業部, 技術開発部・生産技術開発センター, 主任技師 研究職
|
Keywords | 気液平衡 / 露点・沸点圧力 / 非塩素系フロン / 二成分混合系 / 音速濃度分析法 |
Research Abstract |
今日,気液平衡に関する研究は,膨大な量の実験値データが蓄積されている。これらの研究では,気液共存状態での気・液試料を採集し,ガスクロマトグフィによって露点・沸点濃度を調べられているのが一般である。しかし,フロン混合系の臨界点付近での蒸気圧は数MPaにも及ぶ高い圧力を持つ。従って,高圧容器から採集した試料をガスクロマトグフィに注入する過程で温度,圧力,濃度などを同一条件に保持するのが困難である。通常,両者間はパイプラインで直結されているが,特に温度保持が至難である。このことから,既存気液平衡研究の多くは室温付近の測定に限定されている。本研究は,気・液相中の音速を測定し,予め得た音速検量線から露点・沸点濃度,すなわち,気液平衡曲線を決定しようとするものである。高い蒸気圧を持つ混合系の気液平衡を測定するために高圧気液平衡測定装置を試作した。気液平衡セル(SUS316)には試料状態を目視できる光学窓,および系濃度を均一にするための撹拌翼を設けた。この装置の信頼性を確かめるため,化合物間の蒸気圧が大きく異なるHFC32+HFCl34a系の気液平衡を温度:220〜360 Kの範囲で測定した。得られた結果の測定誤差は文献値から沸点圧力で±2.5%,露点圧力で±7%であった。さらに,両化合物間の蒸気圧差が小さいHFC32+HFCl25混合系についても気液平衡を測定した。共沸点を持つこの系では前者より大きい測定誤差,特に露点圧力で現れた。気相混合系の試料調製誤差が大きかったと思われ,今後の課題である。 本装置は更に改良を加え,高精度の測定をする予定である。非塩素系フロンの地球温暖化係数が大きく,その製造・使用とも近々制限されようとしている。これに代わる自然冷媒の気液平衡測定が要請され,この装置の完成が嘱望されている。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Takagi,T.;Sakura,T.;Tsuji,T.;Hongo,M.: "Bubble point pressure for binary mixtures of difluoromethane with pentafluoroethane and 1,1,2-tetrafluoroethane" Fluid Phase Equilibria. (印刷中).