1999 Fiscal Year Annual Research Report
排水中からの有機汚染物質除去を目的としたプラズマグラフトフィリング重合膜の設計
Project/Area Number |
09555236
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中尾 真一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00155665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝田 耕太郎 東燃化学株式会社, 技術開発センター, 研究員
山口 猛央 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (30272363)
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Keywords | プラズマグラフト重合 / 分離膜 / 排水処理 / 材料設計 / パーベーパレイション |
Research Abstract |
本研究の目的は、溶媒処理、特に排水処理において高い性能を有するフィリング重合膜を用いて、それぞれの配水系に適した重合膜を設計することにある。設計のためには膜中での溶媒の溶解性・拡散性をそれぞれ予測し、フィリング重合膜の基材による膨潤抑制力と併せて分離性能を計算だけから予測する必要がある。様々な基材・充填ポリマーを設定し、分離膜が示すであろう分離性能を予測することにより、それぞれの排水処理に適した充填ポリマーおよび基材強度を選ぶ。選択された素材および基材を用いて重合膜を作製することが本研究で行う設計・開発である。 本年度において従来まではゴム状ポリマーに関して行われてきた材料設計法をガラス状ポリマーへも拡張した。ガラス状ポリマーに対する溶媒の溶解性・拡散性および膜としたときの透過性の評価および推算法を検討した。 ポリマーの溶解性測定は石英スプリングによる収着実験装置を用いた。溶媒として近年、大気中での汚染が問題となっているトルエンなど芳香族蒸気を、ポリマーとして各種アクリレートおよびメタクリレート類を用いた。溶解性においては従来用いてきたGCLF-EOSモデルを用いて評価し、ガラス状ポリマーにおいても溶解性を推算することに成功した。 相互拡散係数の測定はステップアップ蒸気透過法を用いた。溶媒として同様に芳香族系溶剤を、ポリマーとして各種アクリレート類、メタクリレート類を用いた。ゴム状ポリマーの拡散性を予測する自由体積理論を、ガラス状ポリマーに応用できる新たなモデルを構築した。その結果、今回提案したモデルはガラス状ポリマー中においても溶剤の拡散性を予測できることが確認された。 これらの結果を用いて膜透過性を予測した結果、実験結果をよく再現した。
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[Publications] T.Yamaguchi,S.Nakao et al.: "Development of a Fast Response Molecular Recognition Ion Gating Membrane"J.Am.Chem.Soc.. 121. 78-4079
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[Publications] T.Yamaguchi,S.Nakao et al.: "sign of a vapor permeation membrane for VOC removal by the filling membrane concept"J.Membrane Sci.. 164. 25-35
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[Publications] T.Yamaguchi,S.Nakao et al.: "ect of molecular association on solubility,diffusion and permeability in polymeric membranes"J.Polym.Sci.,Polym.Phys.Ed.. 38. 71-181
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[Publications] T.Yamaguchi,S.Nakao et al.: "Solvent diffusion in amorphous glassy polymers"J.Polym.Sci.,Polym.Phys.Ed.. 38. 46-856
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[Publications] T.Yamaguchi,S.Nakao et al.: "Preparation of Zeolite A and Faujasite Membranes from a Clear Solution"Ind.Eng.Chem.Res.. 38. 82-4688
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[Publications] T.Yamaguchi,S.Nakao et al.: "Application of a zeolite A membrane to reverse osmosis process"J.Chem.Eng.Japan. (in press).