1997 Fiscal Year Annual Research Report
分子シャペロンを活用した高効率タンパク質リフォールデングプロセスの開発
Project/Area Number |
09555238
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
福田 秀樹 神戸大学, 自然科学研究科, 教授 (30263396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 耕太郎 長瀬産業(株)研究開発センター, 主任研究員
近藤 昭彦 神戸大学, 工学部, 助教授 (40205547)
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Keywords | 分子シャペロン / シャペロン / GroEL / タンパク質リフォールディング / 融合タンパク質 / アフィニティ分離 / 固定化 |
Research Abstract |
本研究では、分子シャペロンを効率的に大量生産するプロセスの開発:およびこれを使ったグアニジンや熱で変性したタンパク質のリフォールディングプロセスを構築することを試みた。ここでは、分子シャペロンのなかでも、in vitroでのタンパク質再生活性の高いシャペロニンを選び検討した。シャペロニンを高効率に生産するために、ある特定の吸着体(アフィニティ吸着体)と選択的に結合するアフィニティタグと融合した融合シャペロニンとして生産することを試みた。この融合シャペロニンを活用して2つのプロセス「固定化シャペロニンを活用したバイオリアクターシステムおよびシャペロニンの分離を伴うバイオリアクタープロセス」の開発を行なった。本研究で以下の成果が得られた。 1)大腸菌のシャペロニンGroELをメタルキレート吸着体(IMAC)に高い親和性を示すヘキサヒスチジン[(His)_6]と融合シャペロニンGroEL-(His)_6として、pET-21dを用いて大腸菌で生産した。GroEL-(His)_6は可溶性画分に大量生産され、IMACを用いたアフィニティ吸着体による一段階の操作で、はぼ純粋な状態まで精製できた。また、得られたGroEL-(His)_6は14量体を形成し、nativeなGroELと同様なATPase活性およびタンパク質再生の促進活性を示した。この様に、GroEL-(His)_6はnativeなシャペロニンと同様な構造および機能を有しており、この発現システムはシャペロニンの産生に適していると言える。-(His)_6 2) GroEL-(His)_6は、IMACに(His)_6タグにより効率的に固定化することができた。さらに固定化されたGroEL-(His)_6は高いタンパク再生の促進活性を示し、繰り返しタンパクの再生に用いても活性低下は見られなかった。したがって、固定化GroEL-(His)_6を活用したバイオリアクターシステムは有効であると期待される。 3)GroEL-(His)_6は、限外濾過システムで再生タンパク質から効率よく分離できた。さらに繰り返し利用によっても活性の低下は見られず、分離を伴うバイオリアクターとして有望であると言える。
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