1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09555251
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
飯島 信司 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00168056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
穴沢 秀治 協和発酵工業(株), 東京研究所, 主任研究員
上平 正道 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40202022)
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Keywords | ウズラ / ニワトリ / 胚 / 遺伝子導入 / 孵化 |
Research Abstract |
我々は卵殻のかわりにガラスカップとテフロン膜よりなる人工容器を用いてウズラ胚を孵化させることに世界ではじめて成功しており(孵化率40%)、さらにニワトリ卵殻を用いた場合は80%の孵化率で孵化させることに成功している。本研究ではこの成果を応用し、ガラスカップとテフロン膜を用いた人工容器で放卵直後の胚盤葉期のニワトリ胚を孵化させることができた。これはウズラの場合と同様に、乳酸カルシウムを添加し酸素通気を行うことで成功したもので、孵化率は20%であった。一方、2卵黄など特大の卵殻をホスト卵殻とし、それに胚を移して培養する技術も開発し80%以上というきわめて高い孵化率を得ることができた。また生まれたヒヨコは順調に生育した。これにより次年度以降に予定している遺伝子導入ニワトリの作製と、卵白への有用物質生産の技術的基礎ができたと考えられる。 一方、ガラスカップやテフロン膜など人工卵殻を用いウズラ胚を培養した場合、培養4〜7日目に卵黄内カルシウム濃度が低下しこれが孵化率が低い原因と考えられた。そこで種々の培養条件で卵黄内カルシウム濃度を測定したところ、乳酸カルシウム添加時には培養初期におけるカルシウム濃度の顕著な落ち込みが緩和されることが判明した。一方、無機塩の吸収を改良するためカゼインホスホペプチド、ビタミンD及びE、カルボニックアンヒドロラーゼなど添加した培養を行ったが、効果がなかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 上平正道、飯島信司: "人工環境下における鳥類胚培養" バイオサイエンスとインダストリー. 55・2. 104-106 (1997)
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[Publications] Masamichi Kamihira, Jun You and Shinji Iijima: "Surfactant-mediated gene transfer for mammalian cells" Animal Cell Technology. 8. 381-385 (1997)