1999 Fiscal Year Annual Research Report
バイオミメティック材料を用いる農薬の新しい分析法に関する研究
Project/Area Number |
09555257
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
竹内 俊文 広島市立大学, 情報科学部, 教授 (70179612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 健二 日産化学工業株式会社企画研究部, 主査
釘宮 章光 広島市立大学, 情報科学部, 助手 (50285433)
松井 淳 広島市立大学, 情報科学部, 助手 (10264954)
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Keywords | モレキュラーインプリンティング / ダミーインプリントポリマー / 農薬 / 充填剤 |
Research Abstract |
本研究では、モレキュラーインプリンティング法(MI法)により合成した人工レセプターを固相抽出・HPLCの分離媒体として応用し、標的の農薬を特異的に濃縮・分析するための新しいアフィニティ分析システムを開発することを目的とする。 前年度までに、アトラジンを認識対象とするインプリントポリマーを合成し、環境分析の前処理である分析サンプルの精製や濃縮を目的とした固相抽出の充填剤として応用を試みてきた。しかし、鋳型分子に使用したアトラジンがポリマー内から除去しきれず、分析に支障をきたす可能性があったため、鋳型分子にアトラジンの代替(ダミー鋳型分子)としてジブチルメラミン(DBM)を用いて、アトラジンと特異的に結合するダミーインプリントポリマーを合成し、アトラジンのアフィニティー固相抽出へ応用を試みた。 ダミーインプリントポリマーの合成は、ダミー鋳型分子であるDBM、機能性モノマーであるメタクリル酸、架橋剤、重合開始剤をクロロホルムに溶解させ、懸濁重合によって球状のインプリントポリマーを合成した。得られたポリマー2.0gを固相抽出用カートリッジに充填し、サンプルとして、アトラジン及びモデル夾雑物格50mgが入ったアセトン50mLを含む蒸留水の混合溶液500mL(0.1ppm)を導入した。続いてジクロロメタン10mLで夾雑物を洗浄し、メタノール10・5・5mLで3回抽出後、各成分の定量をHPLCを用いて行った。その結果、アトラジンは精製・濃縮され、回収率は95.5%、濃縮率は約30倍であった。 以上の結果より、アトラジンの替わりにダミー鋳型分子を用いて合成したダミーインプリントポリマーは、アトラジンの固相抽出において十分な認識能と回収率をもつ高性能の人工レセプター充填剤となることが示された。
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Research Products
(1 results)