1997 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子変異検出バイオセンサの開発と診断応用に関する研究
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09555266
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
前田 瑞夫 九州大学, 工学部, 教授 (10165657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 佳樹 九州大学, 工学部, 助教授 (70284528)
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Keywords | バイオセンサ / DNA / 遺伝子診断 / 遺伝子変異 / 遺伝子センサ / サイクリックボルタンメトリー / DNA結合タンパク / 遺伝子 |
Research Abstract |
本研究の目的は、DNA結合タンパクとDNAの相互作用を利用して遺伝子変異を検出できるバイオセンサを開発することである。平成9年度は、まず、DNA結合タンパクとDNAの相互作用をセンサにより検出できるかどうかを検討した。DNA結合タンパクとしては、DNAを認識して結合する抗DNA抗体を用いた。抗DNA抗体は、それ自身も全身性エリテマトーデスの診断マーカー分子であり、これを検出するセンサはその観点からも有用である。第1段階としては、従来我々が開発してきた2本鎖DNA固定化電極により、DNA-タンパク相互作用検出の検討を行った。最大の問題は、電極表面へのタンパクの非特異相互作用であったが、種々の検討の結果、メルカプトエタノールで電極表面を修飾することで、この問題を解決できることを見出した。その結果、イオンチャネルセンサの原理を応用して、DNAに結合しない同種の抗体であるマウスIgM抗体では応答はないが、DNA結合性の抗DNA抗体でのみ濃度依存性に応答するセンサを実現することができた。 次に、この成果を基に、抗DNA抗体を電極に固定しておいて、逆にこれを用いてDNAを検出する系の開発を検討した。電極表面にカルボキシル基を修飾しておいてDCCで縮合する方法、抗体に活性エステルを導入する方法などを検討したが、電極表面に活性エステルを導入して、これに抗体を結合して、過剰の活性エステルをグリシンなどでマスクする方法が、良好な結果を与えることを見出した。この系は、最終目的である遺伝子変異検出センサの基本となるものであり、抗体の代わりに種々のDNA配列認識タンパクを用いれば目的が達成できると考えられる。現在は、より有粉タンパクの固定化法とDNA検出法の条件検討を行っている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yoshiki KATAYAMA: "Cyclic AMP Detection by Electrode Modified with 17mer Oligopeptide" Chemistry Letters. 1997. 883-884 (1997)
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[Publications] Toshihiro IHARA: "Gene sensor using ferrocenyl oligonucleotide" J.Chem.Soc.,Chem.Commun.1997・17. 1609-1610 (1997)
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[Publications] 中山正道: "遺伝子センサ" 海外高分子研究. 43. 129-130 (1997)
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[Publications] 前田瑞夫: "DNAバイオセンサ" 化学と工業. 50・7. 992-994 (1997)