1998 Fiscal Year Annual Research Report
金属ナトリウムフラックス法による窒素ガリウム単結晶の低温育成
Project/Area Number |
09555274
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山根 久典 東北大学, 素材工学研究所, 助教授 (20191364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
染野 義博 東北アルプス(株), 電子部品事業本部, 研究開発職
岡部 徹 東北大学, 素材工学研究所, 助手 (00280884)
窪田 俊一 東北大学, 素材工学研究所, 助手 (10271975)
遠藤 忠 東北大学, 工学部, 教授 (30176797)
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Keywords | 窒化ガリウム / 単結晶 / 極性 / 表面形態 / 結晶構造 / X線回折 / X線異常分散 / ナトリウム融液 |
Research Abstract |
対称中心を持たない極性結晶では、結晶および結晶表面の形態が結晶成長条件だけでなく極性構造を反映する。最近、青色発光素子や青色半導体レーザーの素材として注目されている窒化ガリウムは、対称中心のないウルツ鉱型の結晶構造を有する。本研究では、ナトリウム融液を用い750℃で作製された窒化ガリウム単結晶について、単結晶X線回折法により極性構造を解析し、結晶形態と極性構造との関連を調べた。原料中のナトリウム/(ナトリウム+ガリウム)のモル比で0.47の条件で得られた板状晶と0.37で得られた柱状晶の2種類の単結晶を測定に用いた。得られた結晶は板状結晶では、六角板状面の片方は平滑で、片方は5-6μm程度の大きさの6角錐ヒルロックやそれらが連なったステップエッジが観察された。柱状結晶では六角錐側と角柱面に垂直な底面とからなり、底面側では30μm程度の大きさの六角形状ステップが観察された。これらの単結晶についてX線回折強度を測定し、解析的なX線吸収補正後の全観測データを用いて解析した結果、信頼度因子(R1)は、2%以下となった。また、X線異常分散を考慮した解析における絶対構造パラメータは0付近となり、絶対構造が適切に決められたことが示された。極性の方向と結晶形状との関係は図1に示す通りである。他のウルツ型結晶構造で報告されているように陰性原子(窒素原子)と陽性原子(ガリウム原子)間の結合はc軸方向のものが切れやすいと仮定すると、板状結晶の場合、平滑面側の(000-1)が窒素面で、ヒルロックの観察された側の(0001)面がGa面となる。柱状結晶では底面の(000-1)が窒素面に対応する。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Hisanori Yamane: "Morphology and Characterization of GaN Single Crystals Grown in a Na Flux" J.Crystal Growth. 186. 8-12 (1998)
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[Publications] Hisanori Yamane: "Polarity of GaN Single Crystals Prepared with a Na Flux" Jpn.J.Appl.Phys.37. 3436-3440 (1998)
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[Publications] 山根 久典: "Naフラックスを用いたGaN単結晶の育成" 日本結晶成長学会誌. 25. 153-156 (1998)
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[Publications] Hisanori Yamane: "Na Flux Growth and Characterization of GaN Single Crystals" Proc.Int.Symp.Nitdes II. (in press). (1998)