1999 Fiscal Year Annual Research Report
温度変化に応答して開閉する貫通ナノポアをもつインテリジェントフィルムの開発
Project/Area Number |
09555291
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
片貝 良一 群馬大学, 工学部, 教授 (10008500)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 勝 日本原子力研究所, 高崎研究所, 主任研究員
小林 京子 群馬大学, 工学部, 教務員 (20225501)
久保田 仁 群馬大学, 工学部, 教授 (20089816)
|
Keywords | 温度応答性ヒドロゲル / 開閉ナノポア / アミノ酸含有ポリマー / インテリジェントフィルム / 物質透過 / p-ニトロフェノール |
Research Abstract |
本研究は有機薄膜に任意の孔径をもつナノポアを開け、これに温度応答機能をもつヒドロゲルをグラフト重合により結合させ、温度変化に応答して開閉するナノポアをもつ薄膜を創製するものである。本年度は温度応答性ヒドロゲルを薄膜表面に結合し、温度変化に応答して開閉するナノポアを通しての物質透過挙動解明の研究を計画した。以下にその研究経過の概要を述べる。 上記のインテリジェント薄膜は700nmの直径を有するポアを持ち、表面はアクリロイル-プロリンメチルエステルドロゲルで覆われている。この表面ヒドロゲルは14℃以下の水溶液中では水分子を吸収して膨潤し、ポア全体を覆い、ポアを閉じる。又、14℃以上ではゲルは水を系外に放出して収縮し、ポアを開ける。この薄膜を通してp-ニトロフェノールの透過実験を行った。その結果、(1)表面ゲルを持たないポアを通してp-ニトロフェノールの透過は温度上昇と共に直線的に緩やかに増大すること、(2)表面ゲルを有するポアを通しての透過は、14℃以下では、それ以上の透過係数に比べて1/217の値であり、この温度を境にしてp-ニトロフェノールの透過が劇的に変化することが明らかになった。更に、このp-ニトロフェノールの透過はグラフト鎖で結合しているヒドロゲルを調製する際のモノマー濃度に依存し、透過を完全に制御するには80%(w/w)のモノマー水溶液からヒドロゲルをグラフト重合により結合させる必要があることが明らかになった。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] H.Oku: "Side Chain Conformational Changes During the Thermo-Shrinking Process"J. Polym. Sci., Part A. Polym. Chem.,. (印刷中). (2000)
-
[Publications] M.Carenza,: "The State of Water in Thermoresponsive Poly(acryloyl-L-proline methyl ester) Hydrogels Observed by DSC and 1H-NMR Relaxometry"Radiat. Phys. Chem.,. 55. 209-218 (1999)