1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09555312
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
豊貞 雅宏 九州大学, 工学部, 教授 (30188817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾野 英夫 川崎重工業, 明石技術研究所強度研究部, 研究員
山口 喜久次 九州大学, 工学部, 助手 (70037943)
丹羽 敏男 九州大学, 工学部, 講師 (10208267)
後藤 浩二 九州大学, 工学部, 助教授 (60274487)
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Keywords | 疲労寿命予測 / 疲労表面き裂 / き裂開閉口 / 表面き裂の成長合体 / △KRP / 疲労被害領域寸法 |
Research Abstract |
1結晶粒程度以上の微小き裂および長いき裂の領域については、負荷過程中にき裂先端に引張塑性域が形成される区間に対応する応力拡大係数範囲ΔK_<RP>を疲労き裂伝播速度da/dNのパラメータとした疲労き裂伝播則を、また1結晶粒程度以下の微視き裂の領域については、有効荷重範囲(最大荷重-RPG荷重)が一定の場合、き裂が最初の結晶粒界に達するまでは疲労被害を受ける塑性域先端位置は一定に保たれるものと仮定し、疲労被害を受ける領域寸法ωとΔK_<RP>の関係より等価なΔK_<RP>を与え、長いき裂の疲労き裂伝播則を用いてき裂長さ0の状態からき裂成長曲線を推定するアルゴリズムを提案した。そして、これまでに切欠底から発生・伝播する表面き裂のアスペクト比変化におよぼす応力比の影響ならびに表面き裂の応力拡大係数についてはある仮定に基づいて推定しているものの、深い切欠を有するCT試験片に対しては上記アルゴリズムの妥当性を実験的に確認した。 そこで、切欠底から発生するき裂は多数点で発生するが、この複数の表面き裂の干渉効果を考慮し単一の表面き裂に代表させることにより、切欠底から発生・伝播する表面き裂のアスペクト比変化は、応力比が大きくなるほどより円形に近い形となることを明らかにし、アスペクト比変化におよぼす応力比の影響を定量的に表す実験式を導いた。この実験式を用いて、微小き裂領域の疲労き裂伝播挙動を調査した結果、微小き裂領域のda/dNとΔK_<RP>の関係は長いき裂に対する関係にほぼ一致し、切欠が深い場合、提案した発生と伝播の統一理論による疲労寿命評価法の妥当性が再度確認できた。また、切欠が浅い場合、1結晶粒程度以下の微視き裂領域において、繰り返し条件下の降伏応力を用いて疲労寿命を推定することにより、初期き裂の存在を仮定することなくき裂長さの0状態から長いき裂に至る疲労寿命が推定でき、発生と伝播の統一理論による疲労寿命評価法の妥当性を確認した。
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