荒天海象下の巨大海洋構造物の挙動シミュレーションのためのソフトウェアの開発

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09555313
• Research Institution: Kyushu University
• Principal Investigator: 大楠 丹 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (70038537)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 慎 燦益 長崎総合科学大学, 工学部, 教授 (20086391) ; 内藤 林 大阪大学, 工学部, 教授 (20093437) ; 岩下 英嗣 広島大学, 工学部, 助教授 (60223393) ; 柏木 正 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (00161026)
• Keywords: 非線形 / 大振幅動揺 / 大波高 / 数値計算

Research Abstract

本研究の目的は次の通りである。
・有限振幅の海洋波中の構造物に作用する非線形な波浪荷重、および構造物の運動の合理的でロバストな計算法を確立する。
・構造物に及ぼす波浪衝撃圧の数値解析、甲板上への海水打ち込みのシミュレーション法を開発する。
・以上の結果を総合し、与えられた海洋波中における海洋構造物、船舶のいろいろな非線形挙動(転覆を含む)を安定した精度でシミュレーションするソフトウェアを開発する。
平成9年度における研究成果を要約すると次の通りである。
1.弱錯乱の仮定(非定常流れの自由表面条件が入射波の波面で課せられるとして、構造物の大振幅動揺によって生じる構造物と水面の位置関係を現実的なものにする仮定)に基づいて高速船の大振幅動揺を計算するプログラムを開発した。本プログラムはいわゆる2.5次元理論を数学モデルとして用い、有限振幅の動揺による境界値問題の数値解析を容易にしている。
2.船舶の大波高中の縦揺によって生じる水面衝撃を数値解析する数学モデルを開発し、予備討算を実施し、水槽実験の結果と比較しモデルの正当性を確認した。
3.任意形状の造波機によって造り出された波の中に任意形状の浮体がsway,heave,rollする場合のシミュレーションを行う計算プログラムを開発した。Wall-sidedな浮体とflareのついた浮体に対して、種々の周期、振幅のシミュレーションを行い、対応する実験結果と比較した。その結果、シミュレーションの結果は実験結果と良く一致していることを確認した。