1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09555316
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 千弘 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30271878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大岡 隆 金属鉱業事業団, 技術研究所, 主任研究員
須藤 孝一 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90291252)
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Keywords | 鉄酸化細菌 / バイオリーチング / 銅精鉱 / Thiobacillus ferrooxidans / 酸素 / 二酸化炭素 |
Research Abstract |
本研究は,バイオリーチングの効率化を目指す手法として,供給する気相を制御するものである。今年度においては,鉱石試料となる銅精鉱を数種集めるとともに,鉄酸化細菌の酸化挙動に及す供給気相の影響を検討した。また,収集した銅精鉱試料を効率良く浸出する液相の化学種の状態についての検討を行った。以下に,その結果をまとめる。 1.銅精鉱として,鷲合森産の黄銅鉱,カナダ・バレー鉱山産の銅浮選精鉱およびチリ・エスコンダ産銅浮選精鉱を入手した。また,硫化鉱物として,最も一般的な黄鉄鉱として岡山県柵原鉱山産および北海道戸井鉱山産のものを入手した。入手した各精鉱の元素分析を行った。 2.鉄酸化細菌としてThiobacillus ferrooxidansを使用した第一鉄イオンの酸化実験において,供給気相を制御してその挙動を検討した。その結果,空気を吹込んだ場合と比較して,二酸化炭素をより多く(7%程度)供給すると,鉄酸化細菌の増殖速度が向上した。また,その状態において,酸素供給量を5%以下にすることにより,鉄酸化細菌による第一鉄イオン酸化速度の増加が確認された。さらに,二酸化炭素により嫌気状態を作成した場合,鉄酸化細菌は,第二鉄イオンを電子受容体として黄鉄鉱を酸化することが認められた。すなわち,供給気相を制御することにより,反応器内における鉄酸化細菌の活性を高くすること,および,鉄イオンの形態を制御することが可能であると推定された。 3.銅精鉱の浸出に第二鉄イオンを用いた場合において,生成した第一鉄イオンとの割合によって浸出速度が大きくなることから,第一鉄イオンと第二鉄イオンの存在割合における最適条件の存在が推定された。
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Research Products
(1 results)