1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09555318
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
幾世橋 廣 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70005263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松木 浩二 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10108475)
坂口 清敏 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50261590)
奥村 清彦 東京大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40177184)
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Keywords | 岩盤原位置熱物性値 / ボアホール計測法 / 細線加熱比較法 / センサ / 熱伝導率 / 温度伝導率 / 石英ガラス / 極低温 |
Research Abstract |
1.測定原理及びセンサの開発 ボアホール計測法としては,測定面として,孔底を用いる方法と孔壁を用いる方法とが考えられる。本年度は理論的な取扱いが比較的容易な,孔底平面に適用する熱物性値測定用センサの原型1号(石英ガラス製)を開発した。測定原理は,細線加熱比較法とそれを温度伝導率及び比熱を熱伝導率と同時に測定できるように研究代表者が開発した拡張非定常細線加熱比較法である。本方法では,センサ基盤材料として熱物性値が高い精度で測定されている安定な材料が必要である。本研究のセンサ原型1号では,高純度石英ガラスをセンサ基盤として採用した。石英ガラスは安定で且つ,極低温から高温まで沢山の文献値があり,推奨値も提案されている。センサの大きさは60mm×60mm×30mmで,60mm×60mmの一面中央表面に高精度の溝を加工し,長さ50mmの熱線を埋設した。熱線には広い温度範囲で電気抵抗に温度依存性のないアドバンス線を用いた。熱線の太さが50μmと80μmの2種類のセンサFQ50とFQ80を試作した。センサ表面温度測定は,熱線中心からの距離が0.5,4.0及び8.0mmの位置にそれぞれ溝加工して埋設した熱線と同じ太さのK熱電対により行った。 2.実験結果の要約 (1)室温から85℃までの温度では,石英ガラスの熱伝導率は,文献値より+7%大きく評価された。(2)室温下における種々の材料の熱伝導率の測定では,熱伝導率の値が1.4〜16W/(m・K)の範囲では,測定値は文献値に対し±10%であった。(3)温度伝導率は,熱伝導率が1.4〜10W/(m・K)の範囲であれば,測定値は文献値に対して±10%であった。(4)石英ガラスの低温下における熱伝導率の測定値は,20Kまでのどの温度レベルでも文献値より+0.18W/(m・K)大きくなった。(5)センサ基盤に用いた石英ガラスの熱伝導率の測定値が,文献値よりこのように大きな値として測定される原因は,目下,検討中である。
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Research Products
(1 results)