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1998 Fiscal Year Annual Research Report

ラドンガスの連続観測による活断層の地震応答特性の評価システムの構築

Research Project

Project/Area Number 09555322
Research InstitutionKumamoto University

Principal Investigator

小池 克明  熊本大学, 工学部, 助教授 (80205294)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 金子 勝比古  北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20128268)
大見 美智人  熊本大学, 工学部, 教授 (30040405)
Keywordsラドン / イオニゼーションチェンバー法 / 断裂系 / 活断層 / 噴気帯 / 周期 / 火山性地震 / 地球潮汐
Research Abstract

本研究の主目的であるラドン濃度の連続測定を可能にするために,放射線の一次電離によって生じた電荷を電圧の出力信号として取り出す方法であるイオニゼーションチェンバー法に注目し,AlphaGUARD(Genitron社)を測定に用いた。この機器によると,ラドン同位体の中で半減期が3.82日と最も長い^<222>Rnの濃度(単位Bq/m^3),気温,気圧,湿度,データの質などが10分間隔で得られる。測定の対象としては,断層上に位置し,火山性ガスの噴気も盛んである阿蘇山火口西側の温泉地区を選んだ。ここに深さ1mの測定孔を設け,電動ポンプにより0.5l/minの割合でガスの吸入を行った。ガスは高温・多湿であるために,測定器への移動の過程で冷やされ,水滴が生ずる。これが測定器内に入るとシステムが不安定になり,正確なデータが得られない。この対策として除湿器をポンプと測定器の間に設けた。また,換気と照明の装置が付いた小屋内にAlphaGUARDを入れ,機器周辺の温度や湿度が大きく変化することのないように留意した。
測定は1998年8月11日に開始し,1999年1月27日までの間で,24,419個のラドン濃度データが得られた。ラドン濃度と気温,気圧,湿度との相関性は低いが,ラドン濃度の変化は大きく,一日に0.4×10^5Bq/m^3程度の変動幅をもつ。しかし,一日当たりの平均濃度に注目すると,それは滑らかな曲線で近似できるような時間的変動を示す。すなわちトレンド成分が存在する。
まず,最大エントロピー法によりスペクトル解析を行ったところ,ラドン濃度の変動には24時間の顕著な周期が含まれ,これよりも弱いが12時間の周期性もあることがわかった。これらは地球潮汐の周期性に対応する。さらに,火山性地震の振幅の積算値とラドン濃度の時間的変動とを比較した結果,地震が多く,振幅の積算値が急増する期間ではラドン濃度の増加も概ね大きいことがわかった。すなわち,地震に伴う温度・圧力の擾乱の影響がラドン濃度に現れ,これに地球潮汐の影響が重なり合っていることが明らかになった。

  • Research Products

    (5 results)

All Other

All Publications (5 results)

  • [Publications] K.Koike,S.Nagano,K.Kawaba: "Construction and analysis of Interpreted Fracture Planesthrough Combination of Satelite-Image Derivad Lineaments and Digital Elevation Mod Doc" Computers & Geosciences. 24巻6号. 573-583 (1998)

  • [Publications] 冨田諭,吉永徹,小池克明: "噴気帯におけるガスと湧水中のラドン濃度の解析" 資源・素材学会春季大会講演要旨集. 179 (1998)

  • [Publications] 一川雄一,小池克明,大見美智人: "LANDSAT TM画像からのリニアメントに基づく九州の断裂系の方位分布解析" 資源・素材学会九州支部春季講演会要旨集. 16-18 (1998)

  • [Publications] 小池克明,一川雄一,大見美智人: "画質を考慮したリニアメント抽出法と広域的な断裂系の方位分布解析への応用" 日本リモートセンシング学会第25回学術講演会論文集. 9-10 (1998)

  • [Publications] 冨田諭,小池克明,大見美智人: "噴気帯での連続測定によるラドン濃度の時間的変動の特徴" 資源・素材学会春季大会講演要旨集. (印刷中). (1999)

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Published: 1999-12-13   Modified: 2016-04-21  

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