1997 Fiscal Year Annual Research Report
生物肥料、生物農薬として機能するスーパー微生物資材の創生
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09556014
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小柳津 広志 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (70177301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 源士 出光興産研究所, 主任研究員
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Keywords | 微生物資材 / 生物肥料 / 生物農薬 / 拮抗性 / 遺伝子 |
Research Abstract |
小柳津らによって分離されたイネ科植物の根に非常に強い親和性を示す細菌P.fluorescens HP72の遺伝子ライブラリーより、植物根親和性に関与する遺伝子をシバを用いたバイオアッセイにより分離することを行っている。本研究では、分離された遺伝子の構造解析を行い、遺伝子の機能を解明し、イネ科植物におけるこの菌株の根定着性のメカニズムを解明することを目的としている。本年は、遺伝子ライブラリーを導入した植物親和性を示さないP.putida株から植物親和性を示す菌株の選別を、イネを栽培して根に生残する菌株を選ぶことにより行った。その結果、現在までのところ目的の遺伝子は得られていない。次に、拮抗性物質の生産に関与する遺伝子の分離を試みている。さらに今後は、HP72株で得られた植物根高親和性を、イネ科植物以外の植物の根圏細菌においても成立させることが可能か、以下の5つの観点から検討する。1)HP72株の植物親和性遺伝子がイネ科以外の植物にも適用できないか。2)HP72株の植物親和性遺伝子がイネ科以外の植物に適用できない場合は、HP72の親和性のメカニズムを考慮して、他の植物に対する親和性遺伝子の分離は可能か。3)親和性遺伝子と病原菌に対する拮抗性を同時に賦与するベクター系を開発できないか。4)植物側の遺伝的改良によって親和性をより高くできないか。
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[Publications] K.Murakami, K.Kanzaki, K.Okada, S.Matsumoto, H.Oyaizu: "Biological control of Rhizoctonia solani AG2-2 IIIB on creaping bentgrass using an antifungal Pseudomonas fluorescens HP72 and is monitoring in field" Ann.Phytopathol.Soci.Japan. 63. 437-444 (1997)