1998 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子組換えを利用した制御因子の改変による高効率PCB分解バイオリアクターの構築
Project/Area Number |
09556015
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高木 正道 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (50018339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志村 稔 財団法人鉄道総合研究所, 環境生物工学研究室, 研究員
金原 和秀 財団法人鉄道総合研究所, 環境生物工学研究室, 主任研究員
永田 裕二 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (30237531)
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Keywords | PCB / Pseudomonas / 組換え微生物 / 制御因子 / バイオリアクター |
Research Abstract |
本年度は,昨年度に引き続き東京大学での解析が進んでいるpseudomonas sp.KKS102由来のPCB分解関与遺伝子群(bph遺伝子群)の発現制御機構について解析を行った。 KKS102のbph遺伝子群の発現はbiphenylの添加により転写レベルで誘導を受けるが,代謝を触媒する酵素遺伝子群について一つ一つ破壊を行い,それぞれの破壊株におけるbiphenyl添加時のbph遺伝子群の発現誘導をノーザン解析で検討した結果,biphenylは直接の誘導基質ではなく,biphenylがBphA,BphB,BphCの作用によって生じる中間代謝産物(メタ開裂物質)が直接の誘導基質となっていることが明らかになった。 一方,KKS102のゲノム中にbph遺伝子群の上流領域とレポーター遺伝子を連結したものを相同組換えにより導入し,制御領域の絞り込みを行った。その結果,bphオペロンのactivation,repressionそれぞれに関わる領域がある程度限定された。 以上,制御タンパクの同定にまでは至らなかったが,KKS102のbphオペロンの制御エレメントを明らかにし,本オペロンが既知の芳香族代謝オペロンの制御系とは異なる複雑な発現制御を受けていることが明らかになった。と同時に,reprcssion領域の破壊により,高効率にbiphenyl(PCB)を分解することが可能な遺伝子組換え微生物の創製の可能性を示すことが出来たと考えている。
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Research Products
(1 results)