1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09556017
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 暢夫 京都大学, 農学研究科, 教授 (50026556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野山 晴三 (株)京都第一科学基盤研究所, 所長
由里本 博也 京都大学, 農学研究科, 助手 (00283648)
阪井 康能 京都大学, 農学研究科, 助教授 (60202082)
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Keywords | 糖化タンパク質 / 糖化アミノ酸 / 糖尿病診断 / Candida boidinii / ペルオキシソーム / 異種遺伝子発現系 / 酵素定量法 / フルクトシルアミノ酸オキシターゼ |
Research Abstract |
本年度は、糸状菌のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼを糖尿病診断に用いることを目的とし、以下の成果を得た。 1.酵素の大量調整のための培養条件および精製方法の確立グルコースとアミノ酸をオートクレープした褐変化培地を用い、糸状菌をジャーファーメンターで30℃で強制通気撹拌する培養条件と、イオン交換クロマトグラフィーの使用を最小限にした簡便な酵素精製法を確立した。 2.メタノール資化性酵母の異種遺伝子発現系を利用する大量生産法の開発糸状菌の当該酵素cDNAをクローニングし、アミノ酸配列を決定した。この配列を基にメタノール資化性酵母、Candida boidiniiのコドン使用頻度に合わせたDNAを合成し、当該酵母の異種遺伝子発現系を用いて形質転換した。このことによって、該当酵素の生産性は数十倍に向上した。 3.フルクトシルアミノ酸オキシダーゼの細胞内局在性と生理的役割の検討cDNAの塩基配列から推定した酵素タンパク質の一次構造解析より、糸状菌酵素のC-末端の3残基はペルオキシソーム移行シグナルであるPTS1配列に相当することを明らかにし、電子顕微鏡観察と細胞器官分画によって当該酵素がペルオキシソームに局在化することを実証した。このことによって当該酵素がペルオキシソーム中で、糖化アミノ酸の分解に関与していることが明らかとなった。 4.糖化タンパク質を断片化するプロテアーゼの探策糖化タンパク質測定の前処理に必要なプロテアーゼをスクリーニングし、細菌と酵母に、ヘモグロビンのN-末端近傍部位を加水分解する前処理に適したプロテアーゼを見出した。
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[Publications] A.P.Murdanoto: "Ester synthesis by NAD^+-dependent dehydrogenation of hemiacetal : Production of methyl formate by cells of methylotrophic yeasts" Bioscience Biotechnology and Biochemistry. 61・8. 1391-1393 (1997)
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[Publications] Y.Sakai: "Regulation of the formate dehydrogenase gene,FDH1,in the methylotrophic yeast Candida boidinii" Journal of Bacteriology. 179・14. 4480-4485 (1997)
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[Publications] K.Kita: "Cloning of poly (3-hydroxybutyrate) depolymerase from a marine bacterium,Alcaligenses faecalis AE122,and characterization of its gene product." Biochimica Biophysica Acta. 1352. 113-122 (1997)
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[Publications] A.P.Murdanoto: "Purification and properties of methyl formate synthase,a mitochondrial alchol dehydrogenase,participatin in formaldehyde oxidation in methylotrophic yeasts." Applied and Environmental Microbiology. 63・5. 1715-1720 (1997)
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[Publications] 阪井康能: "細菌はどのようにして石油を分解するか" 化学と生物. 35・4. 284-289 (1997)
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[Publications] 阪井康能: "ペルオキシソームはどのようにしてできるか" 化学と生物. 35・10. 687-695 (1997)