1999 Fiscal Year Annual Research Report
抗体微細構造が微生物における発現・分泌に与える影響の系統的解析と汎用生産系の開発
Project/Area Number |
09556019
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
山形 秀夫 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (20023468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 敏博 東京薬科大学, 生命科学部, 助教授 (10266893)
岩佐 進 武田薬品工業株式会社, DDS研究所, 主席研究員
鵜高 重三 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (70023463)
小島 正樹 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (90277252)
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Keywords | Bacillus brevis / Fab / 分泌ベクター / Cryptic plasmid / 単鎖抗体 |
Research Abstract |
前年度に作製してB.brevisにおける発現に成功した63個のアミノ酸からなるリンカーペプチドにより連結された単鎖Fabについて立体構造予測を行った。先ず、FabのL鎖C末端にリンカーペプチドを接続し、徐々に2面角を変えながらH鎖N末端に連結した。連結後、リンカーペプチド部分で局所的エネルギーの極小化計算を行い、次にFabを含めた分子全体でエネルギーの極小化計算を行った。この結果、リンカーペプチド挿入前と挿入後でFabの構造はほとんど変化しないことが確かめられた。 B.brevisに見いだされるクリプティクプラスミドをベクターとした場合に培養中の組み換えプラスミドの安定性が高く、高い生産効率が得られることがわかっている。またいくつかのタンパク質について、過剰に発現させるよりも低いレベルで持続的に発現させる方が最終的に得られる産物の量が多くなることが示されている。そこでコピー数が低いB.brevisクリプティクプラスミドであるpWT481の構造と機能を解析し、新しい高効率抗体発現ベクターの構築を試みることとした。先ずpWT481の全塩基配列を決定した。pWT481は2471ヌクレオチドからなり、その塩基配列中に3個のORF(ORF1〜ORF3)が見出された。ORF1がコードするタンパク質のアミノ酸配列はStaphylococcus aureusのプラスミドpT181のRep高い相同性を示した。複製中間体である一本鎖DNAが検出されたことから、pWT481はpT181グループに属し、ローリングサークル型の複製を行うプラスミドであると考えられる。ORF2とORF3のそれぞれを欠失させたところ、いずれの欠失プラスミドもB.brevisにおいて安定に保持された。これらの欠失プラスミドを用いて抗体断片の発現・分泌ベクターを構築中である。
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[Publications] Yasuhiro Shiga: "Efficient production of N-terminally truncated biologically active human interleukin-6 by Bacillus brevis"Biosciense,Biotechnology and Biochemistry. 64・3. 665-669 (2000)
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[Publications] Masaki Kojima: "pH-dependent unfolding of as pergillopepsin II studied by small-angle X-ray scattering"Biochemistry. 39・6. 1364-1372 (2000)
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[Publications] Takemasa Takii: "Human interleukin-1 receptor antag on ist:Large-scale expression in Bacillus brevis 47-5Q"Journal of Interferon and Cytokine Research. 19. 1325-1331 (1999)
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[Publications] Tsutomu Kajino: "A protein disulfide is omerase gene fusion expression system that increases the extracellular productivity of Bacillus brevis"Applied and Environmental Microbiology. 66・2. 638-642 (2000)