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1998 Fiscal Year Annual Research Report

ヒト腸管上皮細胞の単層培養系を用いた食品毒性試験法の開発

Research Project

Project/Area Number 09556026
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

清水 誠  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30114507)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 渡辺 寛人  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (20270895)
Keywords腸管上皮細胞 / 毒物検出法 / 経上皮電気抵抗 / 単層培養 / タイトジャンクション
Research Abstract

腸管上皮細胞の単層培養系を用いて、食品中の有毒物質を検出するための新規な実験系の構築に取り組んだ。その結果、ヒト腸管上皮細胞株Caco-2の単層培養系における細胞層の経上皮電気抵抗(TER)の変化を測定をすることによって、毒性成分の迅速な検出が可能であることが示された。すなわち、界面活性作用を持つ膜傷害性毒物である塩化ベンザルコニウムなど、細胞層に小孔を形成する作用を持つフラムトキシンやディスコダーミン、細胞骨格成分の重合阻害あるいは切断作用を示すミカロライドやサイトカラシンD、プロテインホスファターゼ阻害作用を示すカリキュリンやオカダ酸などの毒性物質は、急速に細胞層のTERを低下させることが見出された。また、エネルギー代謝阻害性の毒物であるアジ化ナトリウムも時間の経過に伴ってTERの低下を引き起こした。細胞層のTERは、主として細胞間のタイトジャンクションの状態を反映しているが、上記のように異なる毒性発現機構を持つ様々な物質が、かなり普遍的にTERを変化させることから、毒性物質の作用を受けた細胞では多くの場合、細胞骨格の変化が誘導され、そのために細胞骨格と密接に連携しているタイトジャンクションが毒性物質に応答して変化したように見えるものと推測された。一方、蛋白質合成阻害作用を毒性発現機構とする細菌毒ベロトキシンや海産毒オンナミドはTERに全く影響を及ぼさず、このような毒性発現に時間のかかる物質の検出には本実験系は不適当であると考えられた。なお、本実験系では、TERの低下に伴って、蛋白質などの細胞層透過性も亢進することが認められた。本実験系は、広範な急性毒性物質の迅速な検出系として有用なばかりでなく、腸管のバリアーを傷害し、アレルゲンなどの腸管透過性を高めるような有害成分の検出にも有効と考えられる。

URL: 

Published: 1999-12-11   Modified: 2016-04-21  

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