1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09556044
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
荒井 克俊 北海道大学, 水産学部, 教授 (00137902)
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Keywords | 倍数体 / コイ目 / 養殖品種 / ドジョウ / フナ / 染色体操作 / 非還元卵 / 育種 |
Research Abstract |
1.ドジョウ高次倍数体の特性評価:平成9年度に作出した二倍体、四倍体(四倍体雌x四倍体雄)、三倍体(四倍体雌x二倍体雄)の混合集団2組、六倍体(六倍体雌x六倍体雄)、五倍体(六倍体雌x四倍体雄)、四倍体(六倍体雌x二倍体雄、あるいは四倍体雌x四倍体雄)の混合集団3組について、飼育を継続した。一部個体を引き抜いて、血液をDNA量フローサイトメトリーに供し、各倍数性個体の生存を確認した。しかし、今年度は測定を行わなかったため、生残・成長・成熟についての結論をうるには到らなかった。 2.非還元卵によるドジョウ高次倍数体の作出:三倍体(二倍体雌x四倍体雄)の産する非還元卵に由来する雌性発生三倍体を雌親魚として、HCG注射による排卵誘起を試みたところ、比較的多数の大型卵(1.40〜1.65mm)と少数の小型卵(0.95〜1.20mm)の外、ごく少数の中型卵(1.25〜1.35mm)が見られた。UV照射精子で受精したところ、中型卵からは1.5n相当の染色体をもつ雌性発生異数体が生じた。大型卵からは雌性発生三倍体が生じ、三倍体の次世代においても非還元的な卵形成が起こることが判明した。したがって、この様な三倍体系統由来の非還元配偶子による高次倍数体作出の可能性が示された。また、自然集団において、二倍性の卵子を産する二倍体個体が見られる。この様な卵をUV照射精子で受精すると倍数化処理なしに雌性発生二倍体が得られ、これらのDNAフィンガープリント像は母親に同一もしくは極めて類似した。この結果はこの様な二倍体卵も非還元卵であり、高次倍数体品種作出の素材となることを示している。 なお、以上のほか、ギンブナ四倍体の飼育・系統維持を行った。
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Research Products
(1 results)