1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09556045
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 実 東北大学, 農学部, 助教授 (70050680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川端 荘平 東北電子産業(株), 研究開発部, 部長
坊之下 雅夫 日本分光(株), LC応用技術課, 課長代理
熊谷 勉 東北大学, 理学部, 助教授 (60091683)
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Keywords | ヒスタミン、 / ジアゾカップリング反応、 / 定量、 / HPLC、 / ろ紙電気泳動、 / 高感度検出、 / 迅速定量、 / 開発、 |
Research Abstract |
申請者らは先にジアゾカップリング誘導体化とHPLCによるヒスタミン分析法を開発したが、本年度は本法に用いる発色試薬の改良、セミミクロHPLC分析法の検討などを通じより高感度化を試みるとともに、全自動化も検討した。一方、ろ紙電気泳動法による定量法では、スポット方法の改良、発色試薬の検討を行い、より簡便で感度の高い定量法の確立を模索した。ジアゾカップリング誘導体化試薬の検討では、4-メチルイミダゾールをモデル化合物とし、(A)スルファニル酸に加え、(B)p-ニトロアニリン、(C)m-ニトロ、p-メチルアニリン、(D)o-ニトロ、p-ヒドロキシメチルアニリン、(E)1-アミノナフタレン、(F)ベンゾチアイミダゾールおよびその他4種類の芳香族アミン化合物を用いて誘導体化試薬への利用の可否を調べた。検討項目は芳香族アミン化合物の溶解度、ジアゾ化速度、アゾカップリング速度、検出波長、色素の安定性、検出限界、副産物の確認など.について詳箱に調べた。その結果、(B)p-ニトロアニリンおよび(C)m-ニトロ、p-メチルアニリンが適していることが確認された。検出限界は(A)スルファニル酸に対し(B)で2倍、(C)で3倍に向上した。その他の化合物はジアゾカップリングしないか、カップリングしても溶解性や、安定性に問題があった。セミミクロ分析法はカラムとしてDevelosil ODS-UG内径1.5mmまたは2mmのカラムを用い、検出セルはセル容量3μlセミミクロテーパセルを用いた。その結果、ヒスタミン1ng当たりのS/N比で判断すると、従来の4.6mmカラムが31.2なのに対し、1.5mmセルが209.0また2.0mmカラムが139.1となり、1.5mmカラムで6.7倍に感度が上昇することが確認された。全自動化の検討はAS-960オートサンプラーを用いて試料の採取、誘導体化試薬1および2の順に添加・混合する方法で分析を行った。ピーク面積を手動法と比較したところ、繰り返し分析の変動係数が手動法が1.31%なのに対し、全自動化法は4.33%とバラツキが大きくなった。誘導体化試薬の変更とセミミクロHPLC分析法の採用により、ヒスタミンの検出感度が500fmol程度まで上昇し、食品はもとより生体中の微量ヒスタミンの定量も可能と考える。
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