1998 Fiscal Year Final Research Report Summary
Project/Area Number |
09556045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 展開研究 |
Research Field |
Fisheries chemistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 実 東北大学, 大学院・農学研究所, 教授 (70050680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川端 荘平 東北電子産業, 研究開発部, 部長
坊之下 雅夫 日本分光株式会社, LC応用技術課, 課長補佐
熊谷 勉 東北大学, 大学院・理学研究所, 助教授 (60091683)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Keywords | ヒスタミン / ジアゾカップリング検出 / アレルギー反応 / 食品衛生 / 定量装置 / ろ紙電気泳動法 / 新装置 / セミミクロHPLC |
Research Abstract |
水産食品のアレルギー中毒原因物質としての他に、ヒスタミンはヒトで胃酸の分泌促進、血小板凝集、血管収縮、細胞の分化増殖促進作用、免疫調節作用など種々の生理活性作用を有するこが知られており、各方面で高感度な定量法およびリアルタイムで結果が得られる簡便、迅速定量法が求められている。ヒスタミンの定量法として比色法、蛍光光度法、HPLC法など種々の方法があるが、生体試料の分析には妨害物質の除去など煩雑な前処理が必要とされるなど問題点が多い。 本研究は、医学、生化学分野で求められている装置で、システムは大がかりなものになっても微量のヒスタミンが定量可能な高感度ヒスタミン分析装置と、水産食品・衛生学分野で求められている装置で、感度は多少劣るが簡便で、迅速な現場対応型のヒスタミシ分析器の開発を目指したものである。 このうち初めの超高感度分析装置の開発では現行のスルファニル酸に代わるジアゾカップリング試薬を多数検討し、p-ニトロアニリンがより高感度でヒスタミンを検出できることを、またカラムを含むシステム全体をセミミクロ化に変更することで従来法の10数倍の高感度を達成し、最低検出感度も0.35pmolになり極微量のヒスタミンの定量が可能なことより、医学、生化学分野での研究に使用できる測定装置と言える。 現場対応のヒスタミンの簡易・迅速測定装置については、本研究でろ紙電気泳動法による分離と、スルファニル酸を用いるジアゾカップリング発色法で、迅速で選択性の高い測定法が開発した。さらに、泳動用ろ紙に改良を加え速やかにろ紙を浸潤する方法と速やかに試料を添加できる方法に改め、熟練を要せず、簡便で、迅速で、一度に多数の試料を感度良く(最低検出感度は10〜30ng)ヒスタミンを分析できる装置を完成させた。本研究の成果は、水産業を含めた食品産業、食品衛生の分野に大きく貢献するものと考える。
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