1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09556047
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
梶原 忠彦 山口大学, 農学部, 教授 (90035121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川合 哲夫 塩野香料株式会社, 主任研究員
赤壁 善彦 山口大学, 農学部, 助手 (20274186)
松井 健二 山口大学, 農学部, 助教授 (90199729)
藤村 太一郎 塩野香料株式会社, 主任研究員
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Keywords | 香気成分 / フレーバー / α-酸化 / 脂肪酸 / 長鎖アルデヒド / 官能評価 / 精油 / 海藻 |
Research Abstract |
海産緑藻の主要揮発成分が、C_<17>-モノ、ジ、トリ-エナールなど長鎖アルデヒド類で、これらは、相当する不飽和脂肪酸のα-酸化によって生合成されることを提唱している。ここでは、世界の沿岸に普遍的に成育しているアオサに着目し、その精油香気特性へのα-酸化サイクルの寄与を明らかにするとともに、これら生成物の海浜アメニティとの関連を検討するために、これらアルデヒド類及び関連化合物の官能評価を行った。 C_<16〜18>-不飽和アルデヒド及び相当するアルコール類を有機合成し、高純度に精製後に、それらの官能評価を5名の調香師により行った。その結果、アナアオサをSDE法によって調製した精油香気特性には、(8Z,11Z,14Z)-ヘプタデカトリエナール、(8Z,11Z)-ヘプタデカジエナールなどとともに、特にα-酸化が2サイクル進行して生成したと考えられる(6Z,9Z,12Z)-ヘキサデカトリエナールの寄与が大きいことが明らかになった。これら化合物は、海藻や海産物を想起する海洋系香気特性を有し、アメニティ機能とともに食品フレーバーなどへの応用的観点からも興味深いことが確認された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Akakabe,M.Matsui,T.Kajiwara: "Enantioselective α-hydroperoxylation of long-chain fatty acids with crude enzyme of marine alga in Ulva pertusa"Tetrahedron. 40. 1137-1140 (1999)
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[Publications] 赤壁善彦、松井健二、梶原忠彦: "海藻揮発成分の海辺の香りへの寄与について"日本味と匂学会誌. 6・3. 469-472 (1999)
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[Publications] 梶原忠彦: "アオサ利用と環境修復"(株)成山堂書店、東京. 10 (1999)
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[Publications] 梶原忠彦: "海苔生物学"(株)成山堂書店、東京. 印刷中 (2000)