1999 Fiscal Year Annual Research Report
自律走行トラクタのための超音波ドップラーベクトル速度計の開発
Project/Area Number |
09556052
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
芋生 憲司 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (40184832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹永 博 宇都宮大学, 農学部, 教授 (30007992)
鳥居 徹 東京大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60172227)
岡本 嗣男 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40031215)
柏嵜 勝 宇都宮大学, 農学部, 助手 (00282385)
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Keywords | 自律走行 / トラクタ / 速度計 / 超音波 / 超音波ドップラー速度計 |
Research Abstract |
自律走行トラクタ用の高性能超音波ドップラー速度計を開発することが本研究の目的である。研究期間の最終年度にあたり、従来にない高精度の対地速度計を開発することができた。重要部分については特許を出願しており、今後 投稿論文として公表する予定である。主な研究成果は以下の通りである。 (1)信号処理法の改善による感度および分解能の向上:分解能を高くするため、昨年度までは周波数シンセサイザにより受信周波数を逓倍していた。今年度は同調回路により逓倍を行い、安定性を向上させた。またセンサの取り付け法の改善、プリアンプの装着、同調アンプの付加により、受信感度を向上させ、ノイズの影響を低減させた。 (2)路面での反射角変動による測定誤差の除去:ドップラー速度計では路面の状況によって、音波の反射角が変動し、測定誤差を生じる。これに対処するため指向性の高い高周波の超音波センサを用いるのが一般的であったが、その結果として空気中での減衰が大きく、また路面の照射面積が小さくなるという欠点を持っていた。本研究ではオフセットパラボラ型の反射板を用いることでこの問題を解決した。指向性の低い送受信センサを用いながら反射板の作用により、路面への入射角および受信波の反射角をほぼ一定にした。その結果比較的低周波で減衰の小さい音波を用いることが可能になった。また広い照射面積を確保することで反射強度の小さい路面での測定精度の向上を寄与した。 (3)比較試験の実施:リニアアクチュエータを用いた測定試験装置により、市販の速度計との比較試験を行った。その結果、開発した速度計の高性能を確認できた。 (4)機体の姿勢変動の影響についての検討:機体の姿勢角が変動することにより、路面への音波の入反射角が変動し誤差要因となる。複数のセンサを用いることでこれを除去する方法を提言した。試験には至らなかったが、(4)の方法と(1)の成果を組み合わせることで姿勢変動の影響を大幅に低減できる可能性が見いだせた。
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[Publications] 石田 ほか: "飼料生産圃場における自律走行トラクタに関する研究"農業機械学会誌. 60(2). 59-66 (1998)
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[Publications] 芋生 ほか: "Autonomous Tractor for Forage Production"Proceedings of 13th International Congress on Agricultural Engineering. Vol.3. 361-368 (1998)
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[Publications] 岡戸 ほか: "Development of an Autonomous Tractor for Forage Production"Proc.of the third International Symposium on Artificial Life and Robotics. 3. 238-241 (1998)
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[Publications] 芋生 ほか: "自律走行トラクタのための超音波ドップラー速度計"農業機械学会第34回関東支部年次報告. 35. 1-2 (1999)