1999 Fiscal Year Annual Research Report
土壌・植物系時空モデルの構築と対話型ほ場管理システムの開発
Project/Area Number |
09556054
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture & Technology |
Principal Investigator |
笹尾 彰 東京農工大学, 農学部, 教授 (70032993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿刀田 央一 東京農工大学, 大学院・生産システム応用科学研究科, 教授 (00107533)
酒井 憲司 東京農工大学, 農学部, 助教授 (40192083)
渋澤 栄 東京農工大学, 大学院・生産システム応用科学研究科, 助教授 (50149465)
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Keywords | 精密圃場管理 / 土壌パラメータ / リアルタイムセンサー / NIRスペクトル / 群落競争モデル / テクスチャ画像 / 群落識別 / 自動マッピング |
Research Abstract |
本研究の最終年度として、研究実施計画に基づいて以下の3項目についてその成果を得た。 1.土壌パラメータのリアルタイムセンサの開発 トラクタ搭載型の光反射スペクトルによるリアルタイム土中光センサを開発した。これは、土中にセンサープローブを貫入させ、土中の光反射スペクトルを連続的かつ安定して実時間計測することが可能である。同時に位置も計測できる。観測深さは15〜40cmである。光波長範囲は400〜1700nmの可視及び近赤外の領域であり、単波長相関解析の結果、土中水分、有機物含有量、硝酸態窒素、EC、pHの推定可能性を得た。 2.雑草系の群落競争モデルの提案 カバークロップ(シロクローバ)と雑草の競争関係についての特徴を圃場実験から明確にし、カバークロップの密度効果の定量化、シロクローバ,雑草系の群落競争モデルの提案を行った。これは、2種のロトカーボルテラ競争モデルを改良した非対称の競争モデルである。得られたモデルは圃場実験結果の競争関係の特徴を良く表現できていた。 3.画像情報による管理システムのための植物群落識別 地被植物群落(クローバとイネ科雑草の混合した植生)の画像を不規則テクスチャとして扱い、「クローバ卓越」「イネ科雑草卓越」「裸地」を識別する手法を提案した。その結果、教師用のグリッド自体では98%の正答率を得た。また、両者が混在する画像を分割したテスト用データでは、88%が人の目視判定と一致し、一致しないものは殆ど群落の境界に由来するものであった。画像により、両植生の勢力分布図を自動作成する可能性が得られた。 以上の研究成果に前年度までの成果を加えて、報告書を出版した。
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[Publications] 李民賛: "小規模ほ場における土壌肥沃度パラメータの時空間変動"農業機械学会誌. 61・1. 141-147 (1999)
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[Publications] 李民賛: "土壌マッピングにおけるグリッド内サンプリングサイズの検討"農業機械学会誌. 61・5. 57-64 (1999)
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[Publications] 澁澤栄: "リアルタイム土中光センサーの開発"農業機械学会誌. 61・1. 131-133 (1999)
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[Publications] S.Shibusawa: "Local Variability of Nitrate Nitrogen in a Small Field"Proc. 2nd European Conf. Precision Agriculture, Denmark. 377-386 (1999)
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[Publications] S.Shibusawa: "Variability of Soil Parameters in a Small Field"Proc. 13th Inter. Conf. ISTVS, Munich. 89-96 (1999)
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[Publications] S.Shibusawa: "Spectrophotometer for Real-time Underground Soil Sensing"ASAE Paper. 993030. 1-10 (1999)