1998 Fiscal Year Annual Research Report
家畜排泄物から環境への重金属負荷軽減に関する研究-微量元素の消化管内動態および利用性
Project/Area Number |
09556062
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
中嶋 隆 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (50074050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 雄一 滋賀県立大学, 環境科学部, 助手 (70171262)
松井 徹 京都大学, 農学部, 助教授 (40181680)
岡野 寛治 滋賀県立大学, 環境科学部, 助教授 (90074088)
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Keywords | 発酵処理大豆粕 / 亜鉛利用性 / アミノ酸キレート亜鉛 / 豚 |
Research Abstract |
1. 大豆粕の発酵処理が成長中ブタの亜鉛生体利用性に及ぼす影響を検討した。15頭のブタを5頭ずつ3区に分け、大豆粕主体の基礎飼料、基礎飼料に充分量の無機リンを添加した飼料、または大豆粕に代えて発酵大豆粕を配合した飼料を給与した。飼料中亜鉛含量はいずれの飼料においてもほぼ要求量の下限であった。発酵大豆粕を給与したブタの脛骨皮質中ならびに血清中亜鉛濃度は他の区と比較し有意な高値を示した。この結果から大豆粕の発酵処理はブタにおいて亜鉛の生体利用性を高めることが明らかとなった。 2. アミノ酸キレート亜鉛と硫酸亜鉛の子ブタにおける生体利用性を検討した。25日齢の子ブタ25頭を5区に分け、亜鉛を添加していない基礎飼料、基礎飼料に亜鉛として25、50、100mgのアミノ酸キレート亜鉛を添加した飼料、または、基礎飼料に亜鉛として100mgの硫酸亜鉛を添加した飼料を30日間給与した。基礎飼料中の亜鉛含量は47mg/kgであり、子ブタの要求量を大きく下回っていた。一方、基礎飼料中のカルシウム含量は要求量の約2倍、銅含量は要求量の約15倍であった。大腿骨中ならびに血清中亜鉛濃度はアミノ酸キレート亜鉛の添加量が増加するにつれて上昇した。また、硫酸亜鉛を添加した子ブタと比較し同量のアミノ酸キレート亜鉛を添加した子ブタでは大腿骨中ならびに血清中亜鉛濃度は高かった。回腸内容物中の亜鉛溶解性はアミノ酸キレート亜鉛の添加量が増加するにつれて上昇し、硫酸亜鉛を添加した子ブタでは同量のアミノ酸キレート亜鉛を添加した子ブタと比較し低い亜鉛溶解性を示す傾向が認められた。以上の結果から、カルシウムならびに銅を多く含んだ飼料を給与された子ブタにおいて、硫酸亜鉛と比較しアミノ酸キレート亜鉛は利用性が高いことが示唆された。この差は小腸内容物中における高いアミノ酸キレート亜鉛の溶解性が一因であると考えられた。
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Research Products
(1 results)