1997 Fiscal Year Annual Research Report
組換え体性腺刺激ホルモン(FSHとLH)の産生と繁殖調節の基礎と応用研究
Project/Area Number |
09556065
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
加藤 幸雄 群馬大学, 生体調節研究所, 助教授 (30114177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 智史 群馬大学, 生体調節研究所, 特別研究員
伊原 武志 日本生物科学研究所, 研究員 (70150109)
森 純一 北里大学, 獣医畜産学部, 客員教授 (90167685)
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Keywords | 下垂体 / 組換えDNA / 性腺刺激ホルモン / クローニング / 遺伝子 / バキュロウイルス / 繁殖 / 生殖 |
Research Abstract |
当該研究課題に関して、平成9年度は以下のような研究を遂行した. 1.組換え体性腺刺激ホルモン(FSH)の大量発現を行うために、発現調節部位の改変や発現に用いる昆虫細胞系の検討を行ったが、発現量の増加は得られなかった.さらに、カイコの生体を用いた発現系により組換え体FSHの生産を行った.後者では、体液1mlあたり0.1mgと細胞培養液に比べて高濃度の発現ではあったが、期待値よりも低かった. 2.前項の発現量を参考に、LHの生産のためのベクター系を構築した.小スケールでの発現系での発現量の検討を開始したところである. 3.簡便な精製法を検討するために、高速分離が可能な全自動パ-フ-ジョンクロマトグラフィーにより、各種の陽イオン、陰イオン、吸着担体における分離特性を検討した。昆虫細胞ならびにカイコ体液には多量のタンパク質が混在しており、まず第1段の素精製には陽イオン担体が有効で全タンパク質の90%前後が除去された.この結果に基づき、昆虫細胞4リットルならびにカイコ体液30mlからのFSHの分画を行い、粗組換えFSHを凍結乾燥標品として回収した.第2段の精製を検討している. 4.組換え体FSHをウサギに免疫して特異抗体を作成した.本抗体はLHやTSHなどの類似ホルモンとは反応せず、これまで入手が困難であったFSH抗体が大量に得られた.しかし、ヒツジ、ラットのFSHとは交叉せず種特異性が高いもので、その利用の範囲は限定される可能性がある.競合免疫測定法とはことなる免疫組織化学的利用の可能性について、ウマ、ウシ、ヤギの組織切片を用いて検討したところ、いずれもFSH抗体に陽性の結果が得られ、本抗体標品が免疫組織化学的な研究には有用であることが確認された.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 加藤 幸雄: "組換え体性腺刺激ホルモンの生産と応用" 獣医畜産新報. 49. 39-43 (1988)
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[Publications] Inaba,T.: "Baculovirus-insect cell production of bioactive porcine FSH" Theriogenology. 47. 491-499 (1997)
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[Publications] Kato,Y.: "Activating transcription factor 4(ATF4)in the porcine anterior pituitary" Advances in Comparative Endocrinology. 1. 591-594 (1997)
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[Publications] Kato,Y.: "Expression of biologically active porcine follicle stimulating hormone in insect cells bearing a baculovirus vector and its purification" Journal of Molecular Endocrinology. 20. 55-65 (1988)
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[Publications] Inaba,T.: "Recombinant porcine folliccle stimulating hormone induce ovulation in hypophysectomised rats and tissue plasminogen activator expression in cultured rat granulosa cells" Research of Veterinary Science. 印刷中.
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[Publications] 森 純一: "ホルモン測定法の進歩-新しい測定法"時間分解蛍光イムノアッセイ"-" 日本胚移植学雑誌. 印刷中.
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[Publications] 加藤幸雄: "「ホルモンの分子生物学:第3巻 生殖内分泌」-ゴナドトロビン" 学会出版センター(印刷中),