1999 Fiscal Year Annual Research Report
組換え体性腺刺激ホルモン(FSHとLH)の産生と繁殖調節の基礎と応用研究
Project/Area Number |
09556065
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
加藤 幸雄 群馬大学, 生体調節研究所, 助教授 (30114177)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊原 武志 日本生物科学研究所, 研究員 (70150109)
森 純一 北里大学, 獣医畜産学部, 客員教授 (90167685)
|
Keywords | 下垂体 / 組換えDNA / 性腺刺激ホルモン / クローニング / 遺伝子 / バキュロウイルス / 繁殖 / 生殖 |
Research Abstract |
平成11年度は以下のような研究を遂行した。 1.前年度に行った組換え体FSHの精製を継続した。当初、高純度の組換え体の大量取得が期待されたが、大量の不純物と高い粘性のため純化は充分ではなかった。分画も広範に渡り収量が低下し、生物体での発現生産の目途はたたなかった。 2.組換え体LHの発現では、組換え体ベクターの作成と小スケールでの発現とアッセイを繰り返して行い、高発現クローンの作成を試みたが、組換え体FSHと同程度あるいはそれ以上の発現を示す改変ベクターは得られなかった。 3.昨年度に作製した組換え体FSHに対する特異抗体を用いて、本年度ではこの抗体の特性評価をさらに進めた。その成果を原著論文としてまとめ、現在投稿中である。その内容は、抗体は競合的な反応系では高い種特異性を示すものの、標識抗原を組織由来のホルモンにすると、満足できる測定系が組めることが判明した。また、非競合的な免疫組織化学などでは十分な抗体反応が得られ、各種の哺乳類動物の下垂体で明瞭な免疫陽性細胞が観察された。作製した本抗体は、競合的なアッセイではヘテロ系による定量測定ならびに非競合的な条件では免疫組織化学や受動免疫によるホルモン機能解析などに有用である事が判明し、限定された条件かではあるがFSHの機能解析の研究に使用する。 4.FSHは卵の成熟に機能していると考えられている。そこで、組換え体FSHを体外受精に用いる卵の前培養に投与して、体外受精が有効な効果をもたらすかを検討したが、ウシ体外受精系における成熟卵培養液に用いた限りでは、ブタの場合に認められたような減数分裂期での効果は認められず、FSH分子の種特異性あるいはFSH機能の種特異性が予想された。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Inaba,T.: "Recombinant porcine follicle stimulating hormone induce ovulation in hypophysectomised rats and tissue plasminogen activator expression in cultured rat granulosa cells"Research of Veterinary Science.
-
[Publications] 森純一: "ホルモン測定法の進歩―新しい測定法"時間分解蛍光イムノアッセイ"―"日本胚移植学雑誌. 208. 10-21 (1998)
-
[Publications] Kato,Y.: "Presence of activating transcription factor (ATF4) in the porcine anterior pituitary"Molecular and Cellular Endocrinology. 154. 151-159 (1999)
-
[Publications] Kato,Y.: "Expression and purification of biologically active porcine follicle-stimulating hormone in insect cells bearing a baculovirus vector"Journal of Molecular Endocrinology. 20. 55-65
-
[Publications] Kato,Y.: "Multiple binding sites for nuclear proteins of the anterior pituitary are located in the 5'-flanking region of the porcine follicle-stimulating hormone (FSH) β-subunit gene"Molecular and Cellular Endocrinology. 158. 69-78 (1999)
-
[Publications] 加藤幸雄: "「ホルモンの分子生物学:第3巻 生殖内分泌」―ゴナドトロピン―"学会出版センター. 31 (1998)