1999 Fiscal Year Annual Research Report
鳥類に広く適用できる性判別プローブの開発と希少種の繁殖等への利用
Project/Area Number |
09556072
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
水野 重樹 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (90112903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 浩一 神戸市立王子動物園, 飼育係・獣医師(研究職)
原田 昌彦 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (70218642)
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Keywords | 深胸類鳥類種 / 走鳥類 / W染色体 / Z染色体 / PCR性判別 / 鳥類性染色体の起源 / 鳥類性染色体の形態分化 / 蛍光in sitiハイブリダイゼーション |
Research Abstract |
(1)深胸類鳥類種の性判別プローブの開発:1997年に研究代表者らが見いだし、報告した[Chromosome Res.5:93-101(1997)]ニワトリのW染色体(雌特有の性染色体)長腕中部に存在するEE0.6非反復配列が進化上の保存性が高く、広く鳥類種のW染色体上に存在することに着目し、微量の血液由来のDNAに対するPCRによる性判別法の開発を行なった。その後、EE0.6の関連配列がZ染色体(雌雄共通の性染色体)上にも存在し、種によってはW、Z上のEE0.6関連配列の塩基配列類似性が比較的高い場合もあり、必ずしもニワトリで設定したPCR条件が全ての種に適用出来ないことが分かってきた。そこで、ニワトリとニホンコウノトリのW、Z染色体上のEE0.6関連配列をそれぞれクローニング、塩基配列決定して、それぞれについてPCRプライマー配列を設定した。これらのプライマーを組み合わせることにより、これまでに特別天然記念物で種の絶滅に瀕しているニホンコウノトリ、トキを含めて8目18種の性判別が確実に行なえるようになった。 (2)走鳥類の性判別:ダチョウ、エミュなどの走鳥類は形態的に識別できる性染色体をもたず、性染色体の同定や起源については謎であった。本研究でニワトリW染色体上のEE0.6配列、Z染色体上の2つの遺伝子IREBP,ZOV3の関連配列がダチョウ、エミュに存在することが分かり、それぞれのゲノムクローンを取得、塩基配列を決定した結果、ニワトリの配列と相同性が高いことが分かった。これらの配列をプローブとして雌雄のダチョウ、エミュの染色体に対して蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)を行なった結果、いずれも同じ1対の染色体上に局在し、ダチョウの雌(後にヒクイドリの雌でも)片方の染色体でIREBP遺伝子が欠失していることが示され、深胸類、走鳥類の性染色体が同一起源であること、ダチョウ、ヒクイドリではW染色体の形態分化がわずかに生じていることが明らかになった。したがって、ダチョウ、ヒクイドリではFISHにより、IREBPが遺伝子が1本の染色体上に存在(雌)するか2本の染色体上に存在(雄)するかを調べれば雌雄判別が可能であることが分かった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] I.Nanda: "300 million years of conserved synteny between chicken Z and human chromosome 9"Nature Genet.. 21. 258-259 (1999)
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[Publications] Y.Wajima: "The cDNA cloning and transient expression of an ovary-specific 17 β-hydroxysteroid dehydrogenase of chickens"Gene. 233. 75-85 (1999)
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[Publications] C.Nishida-Umehara: "Differentiation of Z and W chromosomes reveales by replication banding and FISH mapping of sex-chromosome-liked DNA markers in the cassowary (Aves,Ratitae)"Chromosome Res.. 7. 635-640 (1999)