1997 Fiscal Year Annual Research Report
核内レセプターの転写促進能に基づく新たなホルモン評価系の構築
Project/Area Number |
09556073
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 茂明 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (60204468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
四釜 久隆 山之内製薬, 薬理研究所・薬理第三研究室, 室長
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Keywords | ホルモン評価系 / ホルモン関連化合物 / エンハンサー配列 / エストロゲン(ER) / プレゲステロン(PR) / アンドロゲン(AR) / ミネラルコルチコイド(MR) / バキュロウイルス系 |
Research Abstract |
本研究では以下の4点に焦点を当て、核内レセプターの転写促進能に基づいたホルモン評価系を、分子生物学的手法に基づき動物細胞内で構築し、更にこの評価系をもとに核内レセプターと共役因子との機能的相互作用を中心としたホルモン関連化合物の新たな評価系の構築を試みた。 1.核内レセプターの転写促進能を利用したホルモン関連化合物の評価系:クローン化されているステロイドホルモンレセプター(7種類)と当該エンハンサー配列を有するレポータープラスミドとの組み合わせが、動物細胞内で機能するかを検討し、次に関連化合物を培地に加えることで、7種のレセプターのどれと反応するか調べ、評価系を確認した。 2.ステロイドレセプター群に相互作用する共役因子群の検索及び同定:エストロゲン(ER)、プレゲステロン(PR)、アンドロゲン(AR)、ミネラルコルチコイド(MR)レセプターをグループにyeast two-hybrid system法により、各臓器由来の酵素発現cDNAライブラリーからこれらレセプターと相互作用する因子群を検索し、同時に生殖線に生じた癌組織から酵母発現用のcDNAライブラリーを作製し同様の手法により検索した。 3.機能を保持したステロイドホルモンレセプターを用いてのホルモン結合能の評価系の確立:昆虫細胞内での大量発現をバキュロウイルス系を用いて行った。発現したレセプタータンパクの機能は、in vitro系転写系で調べることで検定し、レセプターの主機能である転写促進能を有したレセプターの大量発現系を確立した。 4.共役因子との相互作用に基づいたステロイドホルモン活性の表現評価法:酵母two-hybrid systemへの応用を検討した。具体的には既知及び新たに同定される共役転写因子とステロイドレセプターを酵母内で発現させ、次にこれらの酵母に化合物を加え、そのタンパク-タンパク相互作用の機序により、ステロイドホルモン活性を評価した。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Takeyama,K., Kato,S., et al.: "25-Hydroxyvitamin D_3 1α-hydroxylase and vitamin D synthesis." Science. 277. 1827-1830 (1997)
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[Publications] Yoshizawa,T., Kato,S., et al.: "Impaired bone formation and uterine hypoplasia with growth retardation after weaning in mice lacking the vitamin D receptor." Nature Genetics. 16. 391-396 (1997)
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[Publications] Fujii,H., Kato,S., et al.: "Metabolic inactivation of retinoic acid by a novel P450 differentially expressed in developing mouse embryos." EMBO J.16. 4163-4173 (1997)
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[Publications] Yamauchi,J., Kato,S., et al.: "Two forms of avian(chicken)TATA-binding protein mRNA generated by alternative polyadenylation." Biochem.Biophys.Res.Commun.234. 406-411 (1997)
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[Publications] Kitanaka,S., Kato,S., et al.: "A new compound heterozygous mutation in the 11β-hydroxysteroid dehydrogenase type 2 gene in a case of apparent mineralocorticoid excess." J.Clin.Endocrinol.Metab.82. 4054-4058 (1997)
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[Publications] Endoh,H., Kato,S., et al: "Rapid activation of MAP Kinase by estrogen in the bone cell line." Biochem.Biophys.Res.Commun.235. 99-102 (1997)
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[Publications] 加藤茂明: "内分泌・代謝疾患(別冊・医学のあゆみ):ステロイド受容体スーパーファミリー" 医歯薬出版株式会社, 566 (1997)
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[Publications] 加藤茂明: "炎症と抗炎症戦略:ステロイド薬・基礎" 医薬ジャーナル社, 831 (1997)