1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09557007
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高木 厚司 九州大学, 医学部, 助手 (30243934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 孝和 九州大学, 医学部, 助手 (60291514)
塩田 清二 九州大学, 医学部, 助手 (80102375)
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Keywords | DNA損傷 / 酸化ストレス / マイクロダイアリシス / HPLC |
Research Abstract |
本研究の目指すところは、非炎症性ストレス時の生体内窒素酸化物の産生源の同定とその産生メカニズムの検討である。本年度は、初年度に立ち上げた高感度のNOx測定システムを使い様々な生体サンプル中のNOx濃度を測定した。その結果、(1)健常人のヒトの尿中NO2及びNO3濃度(μM)はそれぞれ16.8±4.1(n=12)、1271±940(n=18)で、特にNO3は尿濃縮の程度に依存して大きな濃度のばらつきが見られた。一方、(2)健常人のヒトの血漿中のNO2及びNO3濃度はそれぞれ0.22±0.17(n=7)、11.8±7.4(n=7)で、尿に比較して約1/100の濃度だった。さらに、(3)脳外傷患者の髄液中のNO2及びNO3濃度はそれぞれ0.26±0.09(n=8)、11.3±1.8(n=8)でほぼ血漿と同じレベルだった。また、(4)C3Hマウスを使ったパイロット実験での組織NO2濃度は、0.31(plasma)、3.72(Ileum)、0.78(liver)、2.06(Brain)、NO3濃度は、43.6(plasma)、42.4(Ileum)、28.3(liver)、15.4(Brain)で、血漿中のNOx濃度が実質臓器中のNOx濃度よりも高い傾向が見られた。また、(5)ラットのLPS腹腔投与(100ug/rat)後の血漿中のNOx濃度は投与4時間後に約10倍に、24時間後に約30倍に増加した。 一般に、NOは血管拡張や神経伝達物質などの生理活性以外に活性酸素のスカベンジャーとしての役割も大きいといわれている。我々も、今回NOxを測定した同じサンプルでDNAの酸化損傷の指標といわれる8OHdGをHPCL法を使って高感度定量したところNO3と8OHdG産生量が相関することを見いだしている。今後は、各種のストレス負荷時における生体サンプル中の窒素酸化物濃度の測定と同時に、NOxの値が生体の酸化ストレスの指標となることを、8OHdG産生との相関を検討することによって検証していく方針である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ito,K: "Bioluminescent Enzyme Immunoassay for Mouse Interleukin-6using Acetate Kinase" Analytical Sciences. 15. 91-93 (1999)
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[Publications] Shioda,S.: "PACAP protects hippocampal neurons against apotosis/involvement of JNK/SAPK signaling pathway" Ann.New York Acad.Sci.in press (1999)
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[Publications] Takaki,A.: "Enteric endotoxin may function as a modulator in the neuro-immuno-endocrine network during stress." Folia Endocrinologica Japonica. 74. 463- (1998)
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[Publications] Takaki,A.: "Non-inflammatory stress and the brain-gut-liver Immune axis" Jpn J Physiol. 48. S7- (1998)
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[Publications] Oka,K.: "PGE2 receptor subtype EP1 antagonist may inhibit central interleukin-1 -induced fever in rats." Am.J.Physiol. 275. 1762-1765 (1998)
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[Publications] Takaki,A.: "Brain and Biodefence" Japan Scientific Societies Press, 248 (1998)