1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09557009
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
久野 高義 神戸大学, 医学部, 教授 (50144564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 康一 藤沢薬品工業(株), 分子生物研究室, 主任研究員
春藤 久人 神戸大学, 医学部, 助教授 (70206259)
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Keywords | 免疫抑制薬 / カルシニューリン / スクリーニング系 / 分裂酵母 / マップキナーゼ / プロテインフォスファターゼ |
Research Abstract |
本研究は、免疫抑制薬の標的としてのカルシニューリンに注目し、細胞増殖にカルシニューリン活性を必要とする分裂酵母変異体を利用して、カルシニューリン活性をin vivoにおいて特異的に抑制する免疫抑制薬の、簡単かつ確実なスクリーニング系を確立し、これを用いて新しい免疫抑制薬を探索する事を目的としている。平成9年度は、以下のような成果を得た。 1.カルシニューリン活性を生育に必須とする分裂酵母変異体の分離と解析:ニトロソグアニジン処理した分裂酵母をレプリカ法により解析し、FK506により増殖が阻害される変異体を分離した。変異体どうしを交配させる遺伝学的解析により、変異遺伝子座を分類した。予備的な実験により、現在12種の遺伝子座の存在が確認されている。これらの変異体については、カルシニューリン遺伝子を破壊した株と交配し、四分子解析を行い、カルシニューリン遺伝子との合成致死性も確認した。 2.変異遺伝子の同定:個々の変異体酵母に分裂酵母多コピーライブラリーを導入し、FK506感受性を相補する遺伝子を分離し、分離した遺伝子と変異が起こっている遺伝子が同一かどうかを遺伝学的法により決定した。これら遺伝子のDNA配列を決定し、遺伝子破壊、過剰発現によりその機能を解析する作業を進めている。そのうちの一つは、新規MAP kinase phosphataseをコードすることが明らかにされ、クロライドイオンホメオスターシスにおけるカルシニューリンとMAP kinase経路の拮抗的関係が明らかになった。
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[Publications] Reiko Sugiura: "pmpl^+ gene, a supprssor of calcineurin deficiency, encodes a novel MAP kinase phosphatase in fission yest" EMBO Journal. 17・1. 140-148 (1998)
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[Publications] Hisakazu Kihara: "Possible involvement of calcineurin in retinoic acid-induced inhibition of leukemic HL-60 cell proliferation" International Journal of Oncology. (in press). (1998)
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[Publications] 春藤久人: "PPB2の生理機能" 細胞工学. 16・2. 201-209 (1997)
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[Publications] 久野高義: "カルシニューリン" 実験医学. 15・5. 590-591 (1997)
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[Publications] 杉浦麗子: "分裂酵母モデル系におけるカルシニューリンの機能解析" 実験医学. 15・5. 629-634 (1997)