1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09557009
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
久野 高義 神戸大学, 医学部, 教授 (50144564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 康一 藤沢薬品工業, 開発第一研究所, 主任研究員
春藤 久人 神戸大学, 医学部, 助教授 (70206259)
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Keywords | 免疫抑制薬 / 蛋白質燐酸化反応 / 脱燐酸化酵素 / スクリーニング / 分裂酵母 |
Research Abstract |
本研究は、免疫抑制薬の標的としてのカルシニューリンに注目し、細胞増殖にカルシニューリン活性を必要とする分裂酵母変異体を利用して、カルシニューリン活性をin vivoにおいて特異的に抑制する免疫抑制薬の、簡単かつ確実なスクリーニング系を確立し、これを用いて新しい免疫抑制薬を探索する事を目的としている。平成10年度は、以下のような成果を得た。 1. カルシニューリン活性を生育に必須とする分裂酵母変異体の分離と解析:ニトロソグアニジン処理した分裂酵母をレプリカ法により解析し、FK506により増殖が阻害される変異体を分離した。変異体どうしを交配させる遺伝学的解析により、変異遺伝子座を分類した。昨年は12種の遺伝子座の存在を報告したが、本年度はさらにこれらの変異体の単離と解析を進め、FK506感受性とともに温度感受性を同時に示すもの(its変異体)あるいは塩感受性を同時に示すもの(cis変異体)が存在することを明らかにし、それぞれ8種と5種の遺伝子座に分かれることを明らかにした。 2. 変異遺伝子の同定:個々の変異体酵母に分裂酵母多コピーライブラリーを導入し、FK506感受性を相補する遺伝子を分離し、分離した遺伝子と変異が起こっている遺伝子が同一かどうかを遺伝学的方法により決定した。its変異体では、adaptin,glucan synthase,PIP kinase,smallG protein,myosin light chain等の遺伝子に変異が生じていることが明らかになった。
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[Publications] 春藤久人: "PP2B (カルシニューリン)の構造と機能" 蛋白質核酸酵素. 43・8. 952-958 (1998)
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[Publications] 杉浦麗子: "酵母におけるカルシニューリン情報伝達系" 蛋白質核酸酵素. 43・8. 1021-1028 (1998)
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[Publications] Reiko Sugiura: "PmP1^+ gene a suppressor of calcineurin deficiency,encodes a novel MAP kinase phophatase in fission yeast" EMBO J.Vol.17,No.1. 140-148 (1998)
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[Publications] Hisakazu Kihara: "Possible involvement of calcineurin in retinoic acid-induced inhibition of leukemic HL-60 cell proliferation" Int.J.Oncol. Vol.12,No.3. 629-634 (1998)