1998 Fiscal Year Annual Research Report
炭疽毒素をキャリアーにした細胞核内への蛋白質導入法の開発と遺伝病治療の試み
Project/Area Number |
09557025
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Research Institution | Institute of Life Science, Kurume University |
Principal Investigator |
目加田 英輔 久留米大学, 分子生命科学研究所, 教授 (20135742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬田 敏幸 久留米大学, 分子生命科学研究所, 助手 (30213482)
常岡 誠 久留米大学, 分子生命科学研究所, 講師 (50197745)
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Keywords | 炭疽毒素 / GFP / 蛋白質導入法 |
Research Abstract |
炭痕毒素は、エフェクター分子であるLethal Factor(LF)と、リセプター結合分子であるProtective Antigen(PA)から成っている。LFは、PAの助けを借りて細胞内に侵入し、毒性を発揮する。PAは細胞表面のリセブターに結合した後、エンドソームからLFを細胞質に送り込む作用を持つ。LFは、N末端側にPA結合部位、C末端側にメタロプロテアーゼ類似シーケンスを含む毒性部位を持つ。これらの事実から、LFのPA結合部位に続いて細胞内に導入したい蛋白を融合した分子を合成し、これをPAと共に細胞に加えて、目的の蛋白を細胞内に入れる方法が考えられる。さらに、蛋白質に核移行シグナルを付加することで、核内に蛋白質を導入することが可能となる。本研究では、炭疽毒素を用いて細胞外から細胞核内に任意の物質を導入する方法を開発し、この方法を用いてDNA修復酵素の欠損遺伝病である色素性乾皮症細胞に欠損酵素を送り込むことを目指したものである。この目的のために以下の実験を行った。これまでの実験で、LFのPA結合ドメインを付加しなくても細胞内に入れたい蛋白のN末端側にIysを6-8個付ければ、PAを介して蛋白が細胞質に転送されるという報告がある。そこで、タンバクが細胞質に到達し、核内に移行、集積するかどうかを調べるために、GFPにlysを6個付けたりコンビナントタンパクの作成を行った。次に、大腸菌よりリコンビナントタンパクの回収を試みたが、充分な量のりコンビナントタンパク質を得ることが出来なかった。種々の大腸菌株、発現ベクターを試したが、いずれもいい状態でタンパクを回収することが出来ず、目的を果たすことが出来なかった。N末端側のlysクラスターが悪影響していると考え、現在別のコンストラクトを作成して、問題の解決を図ろうとしている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Izumi, Y.: "A metalloprotease-disintegrin, MDC9/Meltrin-g/ADM9, and PKCd are involved in TPA- induced ectodomain shedding of membrane-anchored heparin-binding EGF-like growth factor." EMBO J.17. 7260-7272 (1998)
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[Publications] Tsuneoka, M.: "N-myc transactivates RCCl gene expression in rat fibroblast cells transformed by N-myc and v-ras." J. Biochem.124. 1013-1019 (1998)
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[Publications] Umata, T.: "Diphtheria toxin translocation across endosome membrane. A novel cell permeabilization assay reveals new diphtheria toxin fragments in endocytic vesicles." J. Biol. Chem.273. 8351-8359 (1998)
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[Publications] 岩本 亮: "医学&サイエンスシリーズ 細胞接着のしくみと疾患" 羊土社, 7 (1998)