1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09557030
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
黒澤 良和 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 教授 (10109259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊庭 善孝 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 研究員 (90298547)
赤堀 泰 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助手 (80221711)
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Keywords | ファージディスプレー系 / 抗体ライブラリー / error-prone PCR / 抗体-抗体反応 / 人工抗体 |
Research Abstract |
本研究は、それを特定の抗原と混合してスクリーニングするだけで抗体を単離できる抗体ライブラリーを作製し、その利用法を確立することを目標に進められている。抗体はFabの形でcpIIIタンパクと融合してファージ膜上に発現されている。Bリンパ球に富む臍帯血や扁桃等の数10名の患者手術除去材料を出発材料にして、総数10^<11>個の独立したクローンからなる巨大なレパートリーを持つ抗体ライブラリーの作製を完了した。L鎖については数百種の遺伝子を単離し、全てその塩基配列を決定し、大腸菌中での発現-ホールディング-V_HV_Lドメインの会合が正しく起るクローンを200種用いて、H鎖については片寄りのないようにプライマーを選択し10^9以上のライブラリーを作製して、両鎖をcombinatorialに組み合わせてライブラリーを作製した。ライブラリーに含まれるクローンは、70%以上が正しくFab抗体を発現している。このライブラリーを用いて20種を越える様々な抗原物質に対してスクリーニングを行ったところ、抗原がスクリーニング用のチューブに付着する限り全ての抗原について多種類の抗体が単離できて作製した抗体ライブラリーが優れた性能を有することが示された。それぞれの抗体の抗原結合力は、解析した範囲内では10^6〜5x10^7M^<-1>に分布した。様々な用途に適した抗体の結合力は10^8M^<-1>以上であることが望ましいので、現在error-prone PCRを用いた変異の導入、抗原結合力の高いクローンのみを選択的に濃縮するスクリーニング法の開発に努めている。このシステム構築を完了した以降は、有用な抗体の単離、抗体ライブラリーを利用した新しい研究分野の開発を実施する。
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[Publications] Wataru Ito: "Characterization of Fv fragments expressed on phage surface." J.Biochemistry. 123. 832-838 (1998)
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[Publications] Hisashi Yasui: "Temperature dependency of the thermodynamic parameters in interactions between hen egg-white lysozyme (HEL) and anti-HEL antibody." J.Biochemistry. 123. 827-831 (1998)
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[Publications] Yoshitaka Iba: "Changes in the specificity of antibodies against steroid antigens by introduction of mutations into complementarity-determining regions of VH domain." Protein Engineering. 11. 361-370 (1998)
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[Publications] Chie Miyazaki: "Changes in the specificity of antibodies by site-specific mutagenesis followed by random mutagenesis." Protein Engineering. in press.