1998 Fiscal Year Annual Research Report
機能性栄養素としての必須微量元素の新しい評価法の構築
Project/Area Number |
09557032
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
和田 攻 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60009933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野寺 誠 埼玉大学, 医学部, 助手 (70189413)
柳沢 裕之 埼玉大学, 医学部, 助教授 (10200536)
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Keywords | ラット / 亜鉛欠乏 / アポトーシス / 脱毛 / 胸腺 / TUNEL法 |
Research Abstract |
本研究では、前年度研究において作製することが可能となったラット-亜鉛欠乏モデルを用いて、その生体変化をアポトーシスの観点から検討した。6週齢まで通常に飼育したラットを、亜鉛欠乏食または、亜鉛含有量が0.02%の特別食(control)で飼育した。亜鉛欠乏食投与開始から約2ヵ月後、四肢の先端や眼瞼周囲の炎症や脱毛等の亜鉛欠乏症の症状が出現したラットから、肉眼的に萎縮した胸腺と脱尾を生じた部位の皮膚を摘出し、バララィン標本を作製し、病理組織学的な変化の観察(HE染色)とTUNEL(TdT-mediated UTP-biotin nick end labeling)法によるアポトーシスの検出を行った。亜鉛欠乏食を与えたラットでは、病理組織学的に胸腺の萎縮と皮膚の錯角化を伴う肥厚および皮脂腺の肥大が観察された。またTUNEL法では、胸腺皮質および皮膚毛根部のTUNEL陽性細胞が多数検出された。この結果は、亜鉛欠乏により生じる生体変化にアポトーシスが強く関与することを示すとともに、亜鉛欠乏が細胞周期にも何らかの影響を及ぼずことを示唆するものである。しかしながら、病理組織学的には激しい変化が認められた重層偏平上皮ではアポトーシスの亢進は認められず、部位によってはアポトーシス以外の要因の関与が伺われ、今後の検討課題として残された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Nodera,H.Yanagisawa,O.Wada: "Accelerated apoptosis in the zine-deficient rat" 微量栄養素研究. 15. 137-140 (1998)
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[Publications] H.Yanagisawa, M.Nodera, O.Wada: "Effects of zine deficiency on the expression of endothelin-1 in glomeruli of rats with unilateral ureteral obstruction" 微量栄養素研究. 15. 65-68 (1998)
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[Publications] 野寺 誠: "亜鉛とアポトーシス" Biomed Res Trace Elments. 9. 137-138 (1998)