1997 Fiscal Year Annual Research Report
半導体センサーによる破過検出器を内蔵した有機ガス用防毒マスクの開発
Project/Area Number |
09557035
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
保利 一 産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (70140902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田尾 徹 産業医科大学, 産業保健学部, 助手 (90212901)
則武 祐二 (株)リコー, 品質管理部, グループリーダー
石松 維世 産業医科大学, 産業保健学部, 助手 (40289591)
嵐谷 奎一 産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (10141748)
東 敏昭 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (10119000)
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Keywords | 有機溶剤蒸気 / 半導体センサー / 破過時間 / 防毒マスク / 吸収缶 |
Research Abstract |
有機溶剤作業において防毒マスクを使用する場合,吸収缶の寿命を知ることがきわめて重要である.破過時間は蒸気の種類,濃度,湿度,呼吸量などに依存するが,これらは使用条件によって大きく異なるので,破過時間を事前に推定することは困難である.さらに,作業現場で使用されている有機溶剤の大部分を占める混合溶剤の蒸気の場合,吸着親和性の弱い成分については破過開始後,吸収缶を通過した蒸気の最大濃度は環境濃度よりも高くなることがわかっているが,このことはマスクを着用することにより環境濃度よりも高濃度の蒸気を吸入するおそれがり,交換の時期を誤るときわめて危険であることを示している.本研究では,半導体ガスセンサーを吸収缶またはマスクの面体に埋め込むことにより,破過が近づくと警報を発し,吸収缶の交換時期を知ることができる安全かつ実用的な防毒マスクを開発,試作することを目的とした. まず,研究代表者らが開発した蒸気発生装置で発生させた有機溶剤蒸気を防毒マスク吸収缶に通じ,破過曲線を得た.吸収缶からの蒸気の漏れを防ぐため,吸収缶のホルダーを製作した.半導体ガスセンサーについては,以前平成6-7年度の試験研究B(1)(課題番号06557030)で使用していたセンサーを使用する予定であったが,製造中止になったため,これにかわるセンサーを検討した.いくつか使用に適する可能性のあるセンサーが見つかったため,これらのセンサーの破過検出器としての基本性能(感度,安定性)について検討を行った.
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