1997 Fiscal Year Annual Research Report
生物分解性ポリマービ-ヅを用いた経口免疫法の開発と経口免疫寛容の解析への応用
Project/Area Number |
09557047
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
若月 芳雄 京都大学, 医学研究科, 講師 (40220826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 安信 塩野義製薬(株), 新薬研, 主研
田畑 泰彦 京都大学, 生体医療工学研究センター, 助教授 (50211371)
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Keywords | 免疫学 / 経口ワクチン / 経口免疫寛容 / Drug Delivery System / 粘膜免疫 |
Research Abstract |
消化管粘膜部には生体でも最も多くのリンパ球が存在し、発生学的にもまた全身の免疫系と比較して、特異な機能を有する細胞亜群が存在することが知られている。近年経口からの抗原投与により抗原特異的な免疫寛容を誘導することが可能であること、また実際ヒトの自己免疫疾患において経口からの免疫寛容を誘導することにより、症状の改善がもたされることが知られている。しかも粘膜部を通じて感染が成立する感染症も数多く、これらの感染症の予防においては粘膜部への分泌型の抗体の誘導が必須である。そこで我々は新規に開発した、生体内で分解される薬物輸送担体を用いて、経口免疫寛容が誘導される機序を解明することを試みた。 (1)polu DL lactateに抗原を包含することにより体内で緩徐に抗原が放出されることを発見した。 (2)粘膜部での免疫誘導を最も効率よく誘導するためには輸送担体に物理的な条件が必要であることを見いだした。 (3)上記条件の輸送担体と抗原特異的なT細胞抗原受容体トランスジェニックマウスを用いることにより、経口的な免疫寛容が成立したときの免疫誘導部におけるサイトカインの誘導、抗原特異的T細胞の動態を観察した。 (4)これらの発見により、経口免疫寛容が誘導維持されるのに必要な条件が明らかになり今後経口ワクチンの開発にも有益な情報がもたらされた。
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[Publications] Usui T., Wakatsuki Y., et al: "Overexpression of B Cell-Specific Activator Protein (BSAP/Pax-5) in a late B Cell is Sufficient to Suppress Diifferention to an Ig High Producer Cell with Plasma Cell Phenotype" Journal of Immunology. 158. 3197-3204 (1997)