1999 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ球に認められる第3のタイプの細胞死の分子機構と特異的免疫抑制法への応用
Project/Area Number |
09557048
|
Research Institution | EHIME UNIVERSITY |
Principal Investigator |
浅野 喜博 愛媛大学, 医学部, 教授 (70114353)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 恒輔 愛媛大学, 医学部, 助手 (20281454)
加納 誠 愛媛大学, 医学部, 講師 (10116923)
四宮 博人 愛媛大学, 医学部, 助教授 (80162618)
|
Keywords | 部分放射線照射 / 免疫寛容 / 細胞死 / MHC分子 / 多能性幹細胞 |
Research Abstract |
活性化リンパ球に特異的に第3のタイプの細胞死を誘導する抗体、RE2抗体を用いて特異的免疫抑制法の開発を目指しているが、今回の研究期間内では、RE2抗体の認識する分子およびその遺伝子の解析・同定に多くの時間が割かれ、本研究の最終目標にはまだ達していない。しかし、今回の研究を通して、RE2分子がどの様な性状のものであるかが、朧気ながら見えてきたように思う。RE2抗体を用いたMS-S2細胞のcDNAライブラリーの発現スクリーニングの結果得られたクローンがマウスH-2K^k分子をコードする遺伝子であることが明らかになり、RE2抗体が一群のクラスI分子と反応していることが明らかになった。したがって、RE2抗体はクラスI分子の多型性の無い部分と反応していると考えられる。クラスI分子と反応するRE2抗体が、補体非依存性に活性化リンパ球のみを、壊死・アポプトーシスとは異なる機序で誘導する細胞死の分子機構はまだ不明である。さらに、この抗体による細胞傷害が活性化されたリンパ球に特異的である点が、将来の臨床応用に大きな期待を持てる点であると考える。部分放射線照射による特異的免疫学的寛容の誘導法に関しては、一定の成果が得られている。今後、RE2抗体との併用により、より安定した、免疫寛容誘導法を開発することが重要であると考える。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Tan,R.S-P.: "Altered immune response of interferon regulatory factor-1 deficient (IRF-1-/-)mice against Plasmodium berghei blood stage malar"Infect.Immunity. 67. 2277-2283 (1999)
-
[Publications] 浅野喜博: "IRF-1と感染制御"感染・炎症・免疫. 29. 162-169 (1999)
-
[Publications] Feng,C: "An alternate pathway for type 1 T cell differentiation."Int.Immunol.. 11. 1185-1194 (1999)
-
[Publications] 浅野喜博: "自然免疫系と獲得免疫系の接点"愛媛医学. 18. 507-515 (1999)
-
[Publications] Watanabe,T.: "Lipid A directly inhibits IL-4 production by murine Th2 cells but does not inhibit IFN-γ production by Th1 cells."Eur.J.Immunol.. 29. 413-418 (1999)