1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09557049
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
棟方 昭博 弘前大学, 医学部, 教授 (50003661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 賀広 弘前大学, 医学部・附属病院, 助手 (70178672)
宇野 良治 弘前大学, 医学部・附属病院, 助手 (50271812)
福田 真作 弘前大学, 医学部, 助手 (60261450)
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Keywords | 蛍光内視鏡 / レーザー / 蛍光特性 |
Research Abstract |
蛍光内視鏡(次世代の内視鏡)を開発するための基礎データを収集すべく、1)正常大腸粘膜の蛍光基本特性、2)大腸病変粘膜の蛍光スペクトル、3)培養癌細胞の蛍光スペクトルを測定した。1)正常大腸粘膜の蛍光基本特性:正常大腸(手術標本)の粘膜面に、レーザー(波長325nm,出力16mW)を照射し、励気蛍光の分光特性をスペクトルアナライザーを用いて測定した。励気蛍光は中心波長460nmの釣り鐘型の分布を示した。レーザーの出力を16,8,4,2mWと変えると、強度は、出力4mWで10%に減衰し、出力2mWで測定不能となった。しかしながら、励気光の中心波長に変化はみられなかった。このことから、測定に適したレーザーの最小出力は8mWと考えられた。一方、蛍光スペクトルを100ms毎に測定することによって、蛍光減衰を調べた。蛍光強度は時間とともに指数関数的に減衰し、2s後にほぼ一定の値(初期値の70%)を示した。また、中心波長も460nmから470nmに推移した。このことから、励気蛍光を測定する場合、時間的な1点測定ではなくその減衰経過を測定する必要があると考えられた。2)大腸病変粘膜の蛍光スペクトル:大腸の手術標本あるいはポリペクトミ-標本を用いて過形成ポリ-プ・腺腫・癌の蛍光スペクトルを測定した。その結果、大腸の隆起性病変では正常大腸粘膜に比較して蛍光強度が低いこと(60%)が判明した。更に、過形成ポリ-プでは400nmにもう1つの波長ピークが出現することが分かった。しかしながら、腺腫・癌においては新たな波長ピークの出現はみられなかった。3)培養癌細胞の蛍光スペクトル:大腸癌の培養セルライン(Caco2,HT-29,SW480,SW1222,LCC-C1)では、測定可能な蛍光は誘発されなかった。
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