1999 Fiscal Year Annual Research Report
Helicobacter pyloriのアドヘシンの同定と治療応用
Project/Area Number |
09557050
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Research Institution | Jichi Medical School |
Principal Investigator |
菅野 健太郎 自治医科大学, 医学部, 教授 (60179116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 幸浩 自治医科大学, 医学部, 助手
佐藤 貴一 自治医科大学, 医学部, 講師 (50275707)
大澤 博之 自治医科大学, 医学部, 助手 (70260833)
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Keywords | Helicobacter pylori / アドヘシン / 接着 |
Research Abstract |
ヘリコバクターピロリ(HP)接着受容体の候補であるスルファチドの抗体を用いたヒト胃粘膜組織での発現状態と炎症との関係を解析し、炎症に応じてスルファチドの発現低下が認められることを見いだし、次回の学会において発表予定である。またHPの感染モデルであるスナネズミ胃では他の受容体候補であるガングリオシドやLe^bに比べスルファチドが高発現しており、これが菌量と関連している可能性を見いだし、論文を投稿中である。培養細胞ならびにヒト組織でのスルファチド合成酵素のmRNAと炎症との関係検討するため、RT-PCR法による解析を開始し、ヒト胃生検組織ならびに培養細胞においてmRNAの発現の検討が可能であることを見いだしている。また、これらからスルファチド合成遺伝子全長のクローニングに成功し、遺伝子発現実験とHPの接着への影響について検討を始めている。HP接着によって誘導されるサイトカイン発現、アポトーシス誘導についても胃癌培養細胞株において検討し、昨年消化器病学会等に発表した。またHPの薬剤耐性機構、特にクラリスロマイシン耐性菌の発生機構に関する遺伝子学的な検討も併せて行い、その成果は英文論文として発表した。 アドヘシンについては、われわれが一部シークエンスした蛋白はまだ機能不明のままであり、決着がつかない。昨年、欧米から受容体結合性が不明のアドヘシンの候補が2つ報告され、それについて現在スルファチドとの結合性を検討する予定である。
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[Publications] M.Matsuoka,K.Sugano,et al: "Simultaneous colonisation of Helicobacter pylori with and without mutations in the 23S rRNA gene in patients with no history of clarithromycin exposure"GUT. 45. 503-507 (1999)
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[Publications] 菅野健太郎: "Helicobacter pylori感染と糖鎖"組織培養工学. 25 12. 486-489 (1999)
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[Publications] 菅野健太郎: "胃分泌機序"Annual Review消化器2000. 81-85 (2000)
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[Publications] 川上 訓、佐藤貴一、菅野健太郎: "Helicobacter pylori感染症"医学と薬学. 42 6. 948-956 (1999)