肝細胞癌分化度診断法の開発:血中及び尿中TGFα分画の臨床応用

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09557051
• Research Institution: The University of Tokyo
• Principal Investigator: 尾形 逸郎 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (80169169)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 木下 盛敏 大塚製薬, 大塚アッセイ研究所技術部, 室長 ; 大野 明彦 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30223902) ; 富谷 智明 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (90227637) ; 池田 均 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (80202422)
• Keywords: TGFα / 肝細胞癌 / 診断法

Research Abstract

肝細胞癌発症は、肝細胞増殖と密接な関連があることが広く報告されている。TGFα(Transforming Growth Factor α)は、肝細胞増殖にautocrine的に関与することが想定されている成長因子である。更に肝細胞癌組織中にもTGFαの発現が認められ、TGFαと肝細胞癌発症・発育との関連も推定されている。TGFαは、前駆体として産生された後、processingを受けて成熟型となるが、肝細胞癌細胞を含めた各種培養悪性細胞においてprocessingの異なる様々な分子量のTGFαが産生されることが報告されている。これらprocessingの異なるTGFαをそれぞれ独立に測定できれば肝細胞癌を分化度別に鋭敏かつ特異的に検出できる可能性がある。これまでに、成熟型TGFαを特異的に測定するELISAを開発し、また、このELISAに用いた以外にも各種モノクローナル及びポリクローナル抗TGFα抗体を準備した。更に、分化度の異なる肝細胞癌患者血清及び尿のサンプリングを行なっており、これらに含まれるTGFαの分子量による分画法を検討中である。