肺癌のmyc遺伝子発現制御に基づく治療法の開発に関する研究

1998 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09557053
• Research Institution: Hokkaido University
• Principal Investigator: 秋田 弘俊 北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (70222528)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 村上 章 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (60210001)
• Keywords: 肺小細胞癌 / myc遺伝子 / アンチセンス / レチノイン酸

Research Abstract

ヒト肺小細胞癌細胞(c-myc発現株、L-myc発現株)を用いて、c-mycおよびL-myc遺伝子に対するアンチセンスDNA並びにall-trans-レチノイン細胞増殖並びにmyc族遺伝子発現に対する効果をin vitroで検討した。
1)c-mycおよびL-myc遺伝子に対するアンチセンス、DNA並びにall-trans-レチノイン酸を上記ヒト肺小細胞癌細胞株細胞の培養液に添加し、細胞増殖曲線の作成して細胞増殖に対する効果を検討した。その結果、c-myc発現細胞株NCI-H82細胞およびH417細胞はc-myc遺伝子に対するアンチセンスDNAによって細胞増殖は抑制された。L-myc発現細胞株NCI-H209細胞およびH510細胞はL-myc遺伝子に対するアンチセンスDNAによって細胞増殖は抑制された。all-trans-レチノイン酸添加によってNCI-H82細胞、H417細胞およびH510細胞の増殖は抑制されたが、NCI-H209細胞の増殖は抑制されたなかった。
2)ノーザンプロット法で、各細胞株におけるアンチセンスDNA並びにall-trans-レチノイン酸のc-mycおよびL-myc遺伝子発現に対する抑制効果を検討した。その結果、c-myc発現細胞株NCI-H82細胞およびH417細胞ではc-myc遺伝子に対するアンチセンスDNAによってc-myc発現は抑制された。L-myc発現細胞株NCI-H209組胞およびH510細胞ではL-myc遺伝子に対するアンチセンスDNAによってL-myc発現は抑制された。all-trans-レチノイン酸添加によってNCI-H82細胞、H417細胞およびH510組胞のc-myc発現あるいはL-myc発現は抑制されたが、NCI-H209組胞のL-myc発現は抑制されなかった。
3) ウエスタンブロット法で、各細胞株におけるアンチセンスDNA並びにall-trans-レチノイン酸のc-mycおよびL-myc遺伝子発現に対する抑制効果を検討した。その結果、c-myc発現細胞株NCI-H82細胞ではc-myc遺伝子に対するアンチセンスDNAによってc-myc発現は抑制された。L-myc発現細胞株NCI-H510細胞ではL-myc遺云子に対するアンチセンスDNAによってL-myc発現は抑制された。all-trans-レチノイン酸添加によってNCI-H82細胞およびH510組胞のc-myc発現あるいはL-myc発現は抑制された。