1998 Fiscal Year Annual Research Report
夏型過敏性肺炎の診断用ELISAキットの開発とその有用性の検討
Project/Area Number |
09557055
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
安藤 正幸 熊本大学, 医学部, 教授 (00040204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝部 孝則 熊本大学, 医学部, 助手 (30284748)
山崎 寿人 熊本大学, 医学部付属病院, 助手 (00271130)
菅 守隆 熊本大学, 医学部, 助教授 (20154437)
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Keywords | 夏型過敏性肺炎 / 血清診断 / ELISA / Trichosporon asahii |
Research Abstract |
これまでの我々の研究から、夏型過敏性肺炎患者の血清中にはTrichosporon asahii,T.mucoidesに対する抗体が高力価で存在することが分かっている。夏型過敏性肺炎の診断キットの開発のため、夏型過敏性肺炎の原因抗原に特異的な単クローン抗体(D8)を用いてサンドイッチELISAシステムを開発した。即ち、単クローン抗体を吸着したELISAプレートにT asahii培養上清を反応させ、T asahii特異的抗原を結合させた。更にこのプレートに血清を反応させ、結合した検体中の抗体をペルオキシダーゼ標識抗ヒト免疫グロブリンクラス特異的抗体と発色基質(4-アミノアンチピリン)で検出した。 1. このシステムを用いて、夏型過敏性肺炎(65例、2.432±1.371)、他疾患患者(肺癌、間質性肺炎、気管支喘息、肺炎、サルコイドーシス、合計118例、0.073±0.190)、正常対照者(34例、0.018±0.032)の血清中の抗T asahii抗体価(IgG、IgA)を測定したところ、有意差をもって(p<0.002)夏型過敏性肺炎患者血清中の抗T.asahii抗体価(IgG)が高く測定でき、ROC曲線による解析では、AUCは0.96であった。陽性、陰性の閾値は正常対照者の平均+3SDとした。 2. IgGサブクラスについて検討したところ、IgG2サブクラスの抗T.asahii抗体価を測定すると更に感度が上がることも判明した。 3. ELISAプレートが凍結乾燥した状態で保存する試験で、劣化しないことも確認した。
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