2000 Fiscal Year Annual Research Report
高分解能小型生体磁場計による生体信号解析の実用化、臨床応用に向けての研究
Project/Area Number |
09557057
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
金桶 吉起 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (20280589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古池 保雄 名古屋大学, 医学部・保健学科, 教授 (30161839)
小山 幸子 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (40270483)
柿木 隆介 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (10145196)
久野 晧 タイムフレックス, 主任研究員
井口 弘和 豊田中央研究所, 主任研究員
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Keywords | ヒト / 脳磁図 / 感覚野 / 体性感覚 / 末梢神経 / 筋磁図 |
Research Abstract |
本研究は,高分解能小型生体磁場計の,脳機能局在,骨格筋活動の無侵襲測定への応用に向けた研究である.我々が今回導入した磁場計は,12個のセンサーコイルが空間的に密に配置されており,高いS/N比と空間分解能が期待される.本研究においては,ヒトでの脳磁計測実験,高分解能小型生体磁場計での動物実験を比較検討することにより,信号源推定などの解析プログラムの開発をめざす. 本年度は,本研究計画の最終年度に当たるため,これまで開発してきた解析装置,実験器具の総点検を行った.そして,実際の磁場計測を行い検討を進めた.具体的な磁場計測としては,まずヒトで電気による末梢神経刺激による末梢神経の電動磁場と第一次感覚野の磁場反応を高分解能小型生体磁場計で測定し,その結果をBti社製の37ch脳磁場計で測定した反応と比較し,それらの性能評価をした.大脳皮質の反応磁場は,両装置とも高い空間分解能で記録できたが,高分解能小型生体磁場計はより活動部位に近くセンサーを置くことができたので10倍以上高い磁場反応を記録することができた.また,末梢神経の磁場活動は高分解能小型生体磁場計でのみ記録することができ,その有用性が示された.正常な自発的筋収縮に伴う磁場活動は,数pTの振幅で記録することができたが,病的な筋収縮による磁場活動は,これより10-100分の1程度の振幅が見込まれた.よって,そのような磁場活動の記録には,空間分解能を犠牲にしてもより高いS/N比で磁場を測定することが必要であると思われた.
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