1997 Fiscal Year Annual Research Report
心血管系幹細胞の培養系確立と分化誘導機構の解明および遺伝子治療への応用
Project/Area Number |
09557059
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
増田 道明 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (80199702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新藤 隆行 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
栗原 由紀子 日本学術振興会, 特別研究員
岡山 峰伸 ディナベック研究所, 技術研究員
栗原 裕基 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (20221947)
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Keywords | 細胞分化 / 血管内皮細胞 / 血管平滑筋細胞 / 神経堤細胞 / ウイルスベクター / 遺伝子導入 / エンドセリン / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
増田は、神経病原性マウスレトロウイルスPVC-211がin vivoおよびex vivoで毛細血管内皮細胞指向性を示すことを明らかにした。さらに、ラット脳由来の毛細血管内皮細胞株への種々のマウスレトロウイルスによる遺伝子導入効率を比較した。その結果、PVC-211は他のウイルスに比べて毛細血管内皮細胞への遺伝子導入効率が高いこと、標的となる内皮細胞をあらかじめ2-デオキシグルコースで処理し、ヘパリン非存在下でベクターウイルスを接種するとさらに導入効率が上がることを見出した。同様の結果は初代培養毛細血管内皮細胞を用いても得られており、内皮細胞への遺伝子導入にPVC-211を応用しうる可能性が示唆された。 栗原らは、マウス胚由来の神経堤細胞をフィブロネクチンディッシュ上で初代培養すると、SM-1ミオシン重鎖を発現する細胞に分化することを見出し、神経堤細胞の血管平滑筋細胞への分化をex vivoで再現しうる系を確立した。この培養系では、エンドセリン-1(ET-1)により細胞増殖およびコロニー形成が促進され、ET-1ノックアウト(KO)マウスにおける神経堤細胞由来組織の形成不全に合致する知見であった。一方、細胞分化の程度や方向性はET-1のみではあまり影響を受けず、KOマウスの実験結果から示唆された下流遺伝子であるHAND遺伝子もET-1単独では活性化されなかった。M.Murphy(Walter&Eliza Hall Institute)らとの共同研究により、神経堤細胞の黒色細胞への分化がET-1とc-Kitリガンド(幹細胞増殖因子)との協同作用により促進されることを既に報告しているが、平滑筋への分化にも同様な協同因子が必要な可能性がある。現在レトロウイルスベクターによる遺伝子導入実験を用いて、神経堤細胞の分化誘導機構の研究をさらに進めている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Masuda他: "Molecular mechanism for retroviral neuropathogenesis: possible involvement of capillary endothelial cells." Leukemia. 11. 233-235 (1997)
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[Publications] M.Masuda他: "Capillary endothelial cell tropism of PVC-211 murine leukemia virus and its application for gene transduction" Journal of Virology. 71. 6168-6173 (1997)
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[Publications] 増田 道明: "神経病原性マウスレトロウイルス" ウイルス. 47. 187-194 (1997)
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[Publications] Minamino T、Kurihara H、他: "Endothelin converting enzyme(ECE-1)expression in the rat vascular injury model and human coronary atherosclerosis." Circulation. 95. 221-230 (1997)
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[Publications] H.Kurihara、Y.Kurihara、他: "The role of endothelin-1 in cardiovascular development." Ann.NY.Acad.Sci.811. 168-177 (1997)
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[Publications] T.Kuwaki、H.Kurihara、他: "Physiological role of brain endothelin in the central autonomic control from neuron to knockout mice." Prog.Neurobiol.51. 545-579 (1997)