1998 Fiscal Year Annual Research Report
抗皮膚基底膜部抗体を示す各種自己免疫性水疱症の新しい分子生物学的診断法の確立
Project/Area Number |
09557065
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
橋本 隆 久留米大学, 医学部, 教授 (20129597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮里 稔 久留米大学, 医学部, 講師 (50182001)
森 理 久留米大学, 医学部, 助教授 (10175630)
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Keywords | 自己免疫性水疱症 / 自己抗体 / 類天疱瘡 / 基底膜 / 分子生物学 / リコンビナント蛋白 / 免疫プロット法 / ELISA |
Research Abstract |
各種自己免疫性水疱症の診断には、蛍光抗体法の他に、免疫ブロット法・免疫沈降法などの生化学的手法を用いられる。本研究では、さらに確実な自己免疫性水疱症の診断を目指して、新しい分子生物学的手法を用いた種々の検査法を開発した。まず、BP180のNC16a部位のリコンビナント蛋白を用いた免疫プロット法を開発し、この方法が水疱性類天庖瘡と妊娠性疱疹の診断に非常に有用であることを示した。さらに、このリコンビナント蛋白を用いたELISA法を開発し、さらに有用な手法となる可能性を示した。次ぎに、BP180のすべての細胞外部位をカバーする3種めのリコンビナント蛋白を作成し、多くの瘢痕性類天疱瘡血清がBP180のC末端と反応するIgG/IgA抗体を有することを示し、この方法が瘢痕性類天疱瘡の診断に有用であることを示した。次ぎに、もう一つの類天庖癒抗原である、 BP230のC末端約1000アミノ酸をカバーするリコンビナント蛋白を用いた免疫ブロット法を開発し、水疱性類天疱瘡血清がこの部位に特異的に反応することを示した。このリコンビナシト蛋白とBP180のリコンビナント蛋白を用いたEUSAはより完全な診断法となると思われる。一方、係留線維の主成分であるVII型コラーゲンのN末端球状NCl部位、中央部コラーゲン部位およびC末端NC2部位のリコンビナント蛋白を用いた免疫ブロット法で、後天性表皮水疱症とbullous SLBの主要なエビトーブがNCl部位に、透明層型線状IgA水疱性皮膚症患者の主要なエピトープが中央のコラーゲン部位にあることを示した。最後に、新しい200kD基底膜抗原の検討のため、患者血清をプローブとしてケラチノサイトcDNAライブラリーをスクリーニングし、この抗原が、ラミニン5のgamma5サブユニットに関連している可能性を示した。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Kita Y: "T cell receptor clonotypes in skin lesions from patients with systemic lupus erythematosus" J Invest Dermatol. 110. 41-46 (1998)
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[Publications] Tanaka H: "A novel bullous dermatosis with autoantibodies against the collagenous domain of type VII collagen" Clin Invest. 77. 623-632 (1998)
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[Publications] Hirako Y: "Cleavage of BP180(Type XVII collagen)yields a 120 kDa collagenous extracellular peptude" J Biol Chem. 273. 9711-9717 (1998)
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[Publications] Amagai M: "Antibodies against desmoglein 3(pemphigus vulgaris antigen)are present in sera from patients with paraneoplastic pemphigus and cause acantholysis in vivo in neonatal mice" J Clin Invest. 102. 775-782 (1998)
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[Publications] Kiyokawa C: "Envoplakin and periplakin are components of the paraneoplastic pemphigus antigen complex" J Invest Deramtol. 111. 1236-1238 (1998)
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[Publications] Nie Z: "IgA antibodies of cicatricial pemphigoid sera specifically react with C-terminus of BP180" J Invest Dermatol. 112. 254-255 (1999)
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[Publications] 橋本 隆: "今日の治療指針 1998年版" 医学書院, 1437 (1998)
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[Publications] 橋本 隆: "専門医のための皮膚科学レビュー" 総合医学社, 164 (1998)