1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09557068
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 紀夫 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10010050)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 和也 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80251221)
伊藤 正光 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80176362)
酒井 一夫 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (40153837)
|
Keywords | 感受性指標 / X線誘導蛋白p41 / p41抗体 / MOLT-4 / 細胞死 / MUC1 |
Research Abstract |
1)これまでの我々の研究で放射線感受性であるMOLT-4細胞にX線照射後、細胞死の過程で(4-5時間で出現)、線量依存的に出現する新規蛋白質p41(2次元電気泳動ゲル上で等電点4.0、分子量41kDa)を見出した。また同スポットの部分アミノ酸シーケンスに基づいた合成ペプチドに対するウサギ抗体(AM-1)を作製(合成ペプチド抗原アフィニティーカラムにより精製)し、ウエスタンブロットをおこなったところp41に加えてp42の存在が判明した。 本研究ではさらにp41出現機構解明ため、p42とp41のN末端シーケンスを行なったところ、p41はp42のN末端から17番目のAsp残基のC末端側で切断されていることが判明した。またp42蛋白は他にヒト単芽球性リンパ腫U937細胞、ヒト前骨髄球性白血病細胞HL-60、ヒト胃がん細胞MKN-45、ヒト乳がん細胞T-47D、ヒト結腸がん細胞DLD-1、ヒトグリオーマ細胞NMCG-1およびA7等広範に発現していることが判明した。 2)これまでの我々の研究で細胞膜表面のMUC1産物陽性細胞が増加し、4日目に最高レベルに達することがFlowcytometry法により判明しているが、本研究ではX線をヒト大腸癌細胞株HT29に照射し、RT-PCR法を用いたmRNA測定系を確立し、MUC1 mRNAの誘導の効果を調べた。HT29にX線照射、一定時間経過後、細胞からRNAを抽出。mRNAよりcDNAを合成し、MUC1遺伝子を増幅するPrimer(2種)を用いてPCR(RT-PCR)を行った。その後反応産物をアガロース電気泳動し、染色後、増幅産物(288bpのバンド)量をデンシトメトリー(NIH-Image)で定量した。その結果、X線照射後2日目から4日目にかけて、MUC1 mRNA量が増加していることが明らかになった。以上よりX線照射によるMUC1産物の増加は、mRNAレベルで誘導されていることが示唆された。
|
-
[Publications] Matsumoto,Y.et al.: "A possible mechanism for hyperthermic radiosensitization mediated through hyperthermic lability of Ku subunits in DNA-dependent protein kinase." Biochemical and Biophysical Research Communications. 234. 568-572 (1997)
-
[Publications] Sakai,K.et al.: "Effects of an inhibitor of protein kinases on the response to heat treatment in cultured mammalian cells." Int.J.Hyperthermia. 13. 535-545 (1997)