1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09557086
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
須田 年生 熊本大学, 医学部, 教授 (60118453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高倉 伸幸 熊本大学, 医学部, 助手 (80291954)
山口 祐司 熊本大学, 医学部, 講師 (00220286)
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Keywords | 破骨細胞 / STK(RON) / ビタミンD3 / TYRO3 / GAS6 |
Research Abstract |
骨は、破骨細胞による骨吸収と造骨細胞によるカルシウム沈着の共同作用(カップリング)によってつくられ、維持される。骨粗鬆症は、その破綻と考えられる。高齢者社会となり、本疾患が増加しているなかで、その病態解明および治療開拓は、緊要の課題である。 我々は、造血細胞の受容体型、非受容体型チロシンキナーゼの同定を試み、新規遺伝子のクローニングを行ってきた。このうち、受容体型チロシンキナーゼSTKとTYRO3が、造血細胞の子孫である破骨細胞に特異的に発現しているのを見いだした。 今年度は、下記の2点に絞り研究を進めた。 1)破骨細胞に特異的に発現されるTYRO3の結合因子であるGAS6の作用を検討した。その結果、GAS6-TYRO3のシグナルは、マクロファージ前駆細胞から破骨細胞への分化過程には関与せず、破骨細胞の骨吸収作用に重要な役割をもつことが明かとなった。 2)破骨細胞分化支持因子のクローニング マウス骨髄ストローマ細胞由来のST-2細胞株から、破骨細胞分化支持因子のクローニングを開始した。ST-2とマウス骨髄細胞の共培養系に ビタミンD3を添加すると、多核の破骨細胞の出現が確認された。破骨(前駆)細胞にはビタミンD3受容体が存在しないことから、ビタミンD3は、ST-2に作用して、破骨細胞の分化誘導を支持していることが明かとなった。そこで我々は、未刺激とビタミンD3刺激のST-2の間で Differential Displayを行い、ビタミンD3刺激ST-2に発現されていて、未刺激ST-2に発現されていない遺伝子をクローニングした。現在約40この候補遺伝子が得られ、その解析を進めている。 本研究では、これらの分子を通して、破骨細胞の分化、機能発現の機構を明らかにし、その制御により、骨粗鬆症の治療法を開拓したいと考えている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kurihara N: "MSP and its receptor, RON, stimulate the activity of human osteoclasts but not their proliferation : Effect of MSP distinct from that of HGF." Exp. Hematol. (in press). (1998)
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[Publications] Nakamura S. Y.: "Tyro 3 receptor tyrosine kinase and its ligand GAS6 are invoved in the function of osteoclasts." Stem Cells. (in press). (1998)
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[Publications] Inada T: "Selective expression of the receptor tyrosine kinase, HTK on human erythroid progenitor cells." Blood. 89. 2757-2765 (1997)
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[Publications] Correll PH.: "Deregulated inflammatory response in mice lacking the STK/RON receptor tyrosine kinase." Gene & Function. 1. 69-83 (1997)
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[Publications] Sakamoto O: "Role of macrophage-stimulating protein and its receptor, RON tyrosine kinase in ciliary motility." J. Clin Invest. 99. 701-709 (1997)
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[Publications] Hirao A: "Translocation of the Csk homologous (Chk/Hyl) controls activity of CD36-anchored Lyn tyrosine in thrombin-stimulated platelets." EMBO J. 16. 2342-2351 (1997)