1997 Fiscal Year Annual Research Report
臨床応用に向けた長期凍結保存可能なバイオ型人工肝臓の開発研究
Project/Area Number |
09557093
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松下 通明 北海道大学, 医学部附属病院, 講師 (20250425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 学 北海道大学, 医学部附属病院, 医員
藤堂 省 北海道大学, 医学部, 教授 (60136463)
丸藤 哲 北海道大学, 医学部附属病院, 講師 (30125306)
村林 俊 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30200306)
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Keywords | ハイブリッド型人工用 / スフェロイド / 回旋培養 / 冷凍保存 |
Research Abstract |
大量の肝細胞を充填した人工肝の開発を目的として今年度は以下の実験を行った。 1.肝細胞スフェロイド大量取得法の検討 ハイブリッド型人工肝臓モジュールの機能中心として肝細胞スフェロイドの迅速大量作成を目的に、スフェロイド作成実験を行った。灌流分離法によって得られた肝細胞をメタクリン酸ポリマー添加培地中で旋回培養すると48時間後には約80%の肝細胞がスフェロイドを形成することが判明した。この旋回培養方法により大量のスフェロイド作成の可能性が示された。 2.冷凍保存法の研究 a.装置化材料の基礎研究 1)モジュール筐体の耐凍結性についての検討 ポリカーボネート樹脂(PC)、スチレン・ブタジエンブロック共重合体棚脂(AFX)、アグリロニトリル・スチレン共重合体樹脂(AS)について凍結保存・急速解凍を行い、容器漏洩試験を行った。AFXには変形・漏洩を認め、ASは破損したがPCには損傷を認めなかった。筐体の素材にはPCが適していると考えられる。 2)膜素材の耐凍結性についての検討 ポリエチレン、セルロースジアセテート、ポリアクリロニトリルの3膜素材について凍結保存実験を行ない解凍後の中空糸リ-ク試験にて評価した。ポリエチレン膜のみがリ-クを認めなかったが、今後他の素材、肝細胞との親和性についても検討を行い最適な素材の選定を行う予定である。 b.凍結保存後の肝細胞スフェロイドの検討 DMSO添加L-15培地で、肝細胞スフェロイドを毎分1℃の速度で冷却、-80℃で7日間凍結保存後、機能を評価した。解凍後形態は保たれていたが、106個細胞あたりのアルブミン産生能(μg/日)は非凍結16、凍結0、尿素合成能(μg/時)は非凍結0.43、凍結0.23であり凍結すると機能が低下した。今後の非実質細胞との混合スフェロイドの凍結実験においては、非実質細胞による肝細胞保護が期待されるが、凍結方法についてもさらなる検討が必要である。
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