1998 Fiscal Year Annual Research Report
胸部大動脈瘤の血管内治療における脊髄障害発生の予知と対策に関する研究
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09557111
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
石丸 新 東京医科大学, 医学部, 教授 (50112785)
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Keywords | 胸部大動脈瘤 / 脊髄虚血 / 対麻痺 / ステントグラフト / 血管内治療 / 自己拡張型ステント / 回収式ステントグラフト |
Research Abstract |
胸部大動脈瘤の血管内治療に際し、大動脈より分技する肋間動脈の血流遮断に伴う脊髄虚血障害の発生が重大な合併症である。平成10年度は、脊髄虚血の予知を目的として昨年度補助金によって開発した回収式血管内挿型人工血管について、その有効性と安全性を臨床的に検討した。教室で開発した血管内で任意に開閉できる回収可能な血管内挿型人工血管について、臨床的に動脈内での放出固定および回収の機能を検討した。胸部大動脈瘤10症例について、当大学倫理委員会の承認に基きステントグラフト留置に関するインフォームドコンセントを得た後、当該内挿型人工血管を臨床使用した。人工血管の拡張性柔軟性、壁密着性、また回収時の摩擦抵抗および耐久性を解析し、設計時の予測とほぼ同程度の機能があることを確認した。 回収式内挿型人工血管を目的とする動脈内に留置し、21分間にわたり脊髄誘発電位を測定した。全症例において脊髄誘発電位の変化を認めず、いずれも脊髄虚血がないものと判定した。 誘発電位測定の後、内挿型人工血管をカテーテル内へ収納して体外に回収し、これに続いて永久留置を目的とした内挿型人工血管(ステントグラフト)を動脈内の同一部位に挿入固定した。ステントグラフト留置後も脊髄誘発電位を測定し、さらに全身麻酔覚醒後に下肢の運動および知覚障害の有無を検討した。 全症例において動脈瘤を曠置閉塞することができ、術後も脊髄誘発電位に変化を認めず、麻酔覚醒後は下肢の運動および知覚麻痺を認めなかった。 以上の結果より、回収式内挿型人工血管の有用性および挿入回収に関わる安全性を確認するとともに、永久留置ステントグラフトの有用性を証明することができた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 川口 聡、石丸 新: "胸部大動脈瘤50例に対するステントグラフト内挿術の治療成績" 日胸外会誌. 46巻. 971-975 (1998)
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[Publications] 石丸 新: "大動脈瘤の血管内手術" 臨床と研究. 75巻. 1972-1975 (1998)
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[Publications] 石丸 新: "血管内挿型人工血管による大動脈瘤治療の適応と成績評価" 脈管学. 38巻. 327-331 (1998)
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[Publications] 石丸 新: "Preliminary report on prediction of spinal cord ischemia in endovascular stent graft repair of thoracic aortic aneurysm by retrievable stent graft." J.Thorac.Cardiovasc.Surg.115巻. 811-818 (1998)
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[Publications] 石丸 新: "腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術の現況と将来展望" 脈管学. 38巻. 17-20 (1997)
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[Publications] 石丸 新: "心臓病診療プラクティス、17.血管疾患を診る" 浅井宏祐、文光堂, 3 (1998)
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[Publications] 石丸 新: "21世紀への人工臓器" 寺田弘司、寺田国際事務所/先端医療技術研究所, 5 (1998)